日本工営都市空間に委託 学校再編の基本構想・計画 一貫校、校舎新設も視野(宮城県 山元町)
[2024/8/9 宮城版]
山元町は「再編小学校基本構想・基本計画策定業務」を日本工営都市空間(仙台支店・仙台市青葉区)に委託する。町立小学校4校の再編について、山元中学校との一貫校化・義務教育校化も視野に入れ、業務では新設も含む施設整備の基本方針立案から建設候補地の選定、概算事業費算出などを来年8月末までにまとめてもらう。2030年度当初の再編校開校を目標にしており、計画策定後は26~27年度に設計、28~29年度に建設となりそうだ。
基本構想・基本計画策定業務は1日に一般競争入札を開札。2社が応札し、最低札885万円を投じた同社を落札決定した。予定価格は非公表、最低制限価格は453万9000円だった。同業務の委託に向けては本年度当初予算に24~25年度を期間とする限度額1000万円の債務負担を設定していた。
同町の児童・生徒は大震災の影響もあって減少傾向。そのため18年10月に「小・中学校再編方針」を策定し、小学校については既存4学校区を「10年後をめどに1学校区」とする方針を示していた。現在の学校は、小学校が▽坂元小▽山下小▽山下第一小▽山下第二小──の4校。中学校は1校で、21年4月に2校(山下・坂元)を統合した山元中学校が開校している。
基本構想・基本計画策定業務は、これら学校や町が抱える現状、課題を把握し、具体的な施設規模や整備スケジュールなどをまとめる。
基本構想の策定では、学校形態といった施設整備の基本方針立案のほか、施設規模・機能や建設候補地の選定などを行う。候補地は規模・機能を踏まえ1~2案検討する。既存小・中5学校の活用ほか、新設も加味する。おおむね25年1月ごろまでの策定を目指す。
基本計画は同年2~8月を策定期間に充てる想定。構想を踏まえ、建設候補地における3案程度の施設配置計画・ゾーニングや建築計画の検討、概算事業費と総事業費の算出、事業化スケジュールの立案、跡地活用事例の収集整理などを実施する。概算事業費の算出に当たっては、従来整備手法に加え、PFI手法といった官民連携手法の活用可能性の整理も含む。
なお、学校形態については、業務と並行して有識者や保護者、教員らでつくる「再編小学校のあり方検討委員会」が検討し、基本構想に反映させる予定。これまでも実践している小・中学校の連携(小中連携校)のほか、小中一貫校や義務教育学校が想定され、将来の児童・生徒数、保護者のニーズ、町の教育実態を踏まえて固めていく方針だ。
今後の想定スケジュールは、基本・実施設計を26~27年度にかけてまとめ、建設工事期間に28~29年度の2カ年を見込む。30年4月の開校を目指す。
23年5月1時点の児童・生徒数は小学校が481人、中学校が219人の計700人。開校目標の30年度は小学校324人、中学校226人の計550人と推計している。