脱炭素先行地域づくり 再エネを一元管理へ (千葉市)
[2024/8/9 千葉版]
千葉市は、脱炭素先行地域づくりの一環として、エリアエネルギーマネジメントシステムを導入する。公共施設を対象に太陽光発電などで生み出された再生可能エネルギーを一元的に管理し、エネルギー利用の最適化を目指すもので、県内でも先進的な取り組みとなる。
市環境局は、エリアエネルギーマネジメントシステム導入業務を東京電力ホールディングス(東京都千代田区)に随意契約で委託した。契約金額は8億2126万円で、委託期間は2025年度までとなっている。
エリア・エネルギー・マネジメント(AEM)は、ICTを活用したエネルギー管理技術を地区・街区全体に適用するもの。公共施設などをエネルギー・ネットワークでつなぎ、電力のピークカットや非常時の電力融通などに取り組むことで、エリア全体でエネルギー利用効率の最適化を目指す。
脱炭素先行地域は、温暖化ガス排出量の実質ゼロを達成するため、30年までに脱炭素化を目指す地域。環境省から交付金による支援を受けることができる。同市は22年11月、TNクロス(東京都千代田区)と共同提案し、県内で初めて選定された。
2つのエリアと施設群を先行地域として設定。23年7月にコンソーシアムを設立し、官民が連携しながら、さまざまな取り組みを本格化している。
幕張新都心周辺の「グリーン・MICEエリア」では、幕張メッセのLED化などにより、施設の脱炭素化を推進。動物公園周辺の「グリーン・ZOOエリア」では、新築住宅のエネルギー量を実質ゼロ以下とするZEH化や大規模蓄電池の設置、モノレール軌道桁を活用した自営線による「再エネシェアリングタウン」の大規模開発を計画している。
市全域の公共施設やコンビニなどの施設群「グリーン・レジリエント・コミュニティ」では、太陽光発電設備の導入やエリアエネルギーマネジメントシステムの構築を進めていく。