普通建設費8年ぶり減 23年度決算 単独事業費減少が影響(県財政課)

[2024/8/8 栃木版]

 県財政課は、2023年度普通会計決算(見込)の概要をまとめて公表した。歳入総額は対前年度比7.8%減の9317億2800万円、歳出総額は6.9%減の9125億3300万円で、ともに前年度を下回っている。歳出のうち、性質別の普通建設事業費は1414億0400万円と、前年度に比べ6億9500万円(0.5%)減少。那須庁舎の整備終了などに伴い単独事業費が減少したことで、8年ぶりに減少した。災害復旧費も、東日本台風からの復旧事業の進展に伴い前年度から47.1%減少し、11億8800万円となっている。

 普通会計は、一般会計と公営事業会計を除く特別会計を合わせたもので、本県の場合は一般会計と7特別会計(公債管理、県営林事業、林業・木材産業改善資金貸付事業、母子父子寡婦福祉資金貸付事業、心身障害者扶養共済事業、中小企業高度化等資金貸付事業、就農支援資金貸付事業)が含まれる。

 23年度の決算規模は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ位置付けが変更されたことなどに伴い、主に国庫支出金を財源とする新型コロナウイルス感染症対策関連経費が減少したことなどから、歳入・歳出ともに2年連続で前年度決算額を下回った。

 歳入歳出差引(形式収支)から翌年度に繰り越すべき財源を控除した実質収支は、前年度を2年ぶりに下回る100億5100万円となった。そのうち22億7200万円は新型コロナウイルス感染症対策に係る国庫支出金の返納分であり、実質収支の前年度比(=単年度収支)は109億7300万円の赤字となっている。

 今回の決算の特徴を見ると、歳入に関しては県税収入が微増となり、3年連続で増加した。地方交付税は、普通交付税の増により増加した一方、臨時財政対策債が減少し、普通交付税に臨時財政対策債を加えた実質的な交付税は減少した。

 歳出については、投資的経費のうち普通建設事業費が、公共事業費などの補助事業費が増加した一方で、那須庁舎の整備終了などに伴い単独事業費が減少したことで、前年度比0.5%減と8年ぶりに減少した。災害復旧事業費も、東日本台風に伴う復旧経費の減などで、前年度に引き続き減少している。

 投資的経費は、23年度の決算額が1425億9200万円で、前年度から17億5400万円(1.2%)減少した。このうち普通建設事業費は、前年度から6億9500万円(0.5%)減の1414億0400万円、災害復旧事業費は10億5900万円(47.1%)減の11億8800万円。普通建設事業費の内訳は、補助事業費が対前年度比0.8%増の876億4100万円、単独事業費が2.1%減の469億5000万円となっている。

 経常収支比率は、実質的な交付税の減により収入が減少したものの、退職手当の減に伴う人件費の減などにより支出が収入の減以上に減少したため、前年度に比べ0.7ポイント減の92.6%となった。

 23年度の健全化判断比率等(見込)については5つの指標とも健全段階となっている。なお前年度に比べ、実質公債費比率は0.1ポイント、将来負担比率は0.9ポイント改善した。

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