災害対応とDX 県土地利用計画の変更審議(県国土審議会)

[2024/8/8 茨城版]
 県国土利用計画審議会(会長・谷口守筑波大学教授)では、7月26日に開かれた本年度の第1回会合で、知事から諮問された県土地利用基本計画(計画書)の変更に伴う議案について審議を行った。今回の変更は、国が定める国土利用計画の変更を踏まえ、自然災害や人口減少への対応、DXの推進などに係る見直しを行うものとなる。今後は国や市町村などと協議を進め、25年3月の計画変更決定・告示を目指している。

 県土地利用基本計画は、県国土利用計画に示された将来像を実現するための土地利用の調整方針を定めたものとなる。計画図と計画書の2つで構成し、計画書は土地利用の調整などに関する事項を記載している。

 今回は、第6次国土利用計画(全国計画)が昨年7月に閣議決定されたことを受け、整合を図るため計画書の見直しを行う。県土利用をめぐる基本的条件の変化と課題、県土利用の基本方針、5地域の土地利用の原則について、第6次国土利用計画の内容を反映させて変更を加えた。

 内容をみると、県土利用をめぐる基本的条件の変化と課題では、防災・減災対策の強化とともに安全性を高める県土利用・管理への転換、カーボンニュートラルの実現などを挙げた。また、これらの課題解決のため、デジタルの徹底活用と官民連携の推進を盛り込んでいる。

 県土利用の基本方針では、気候変動に伴う水災害の激甚化・頻発化に対応する流域治水の推進や、災害防止に重要な役割を果たす森林の整備・保全などを明記。加えて、居住・都市機能の誘導と地域公共交通ネットワークの確保・充実の一体的な推進、産業集積のための土地利用転換など関連制度の弾力的活用を掲げた。このほか、5地域の土地利用の原則や、地域の重複する地域における土地利用に関する調整指導方針なども盛り込み、両計画の整合を図るために必要な追加・修正を行っている。

 今後は、計画書案のさらなる検討を行って、12月末の審議会で答申を行う。前後に国や市町村との事前調整や意見交換を実施し、25年3月の変更決定・告示を目指すとしている。

 この審議会は国土利用計画法に基づき、県土利用の基本となる計画の策定・変更などについて、県知事の諮問に基づいて調査・審議するもの。土地利用上の課題に対応した県土利用を進め、良好な生活環境の確保と県土のさらなる発展を目指すという基本的な目標の達成に向け、重要な役割を担っている。

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