文挟BPII期で調査 事業概要 94カ所の約48億円を計画(日光土木)

[2024/8/7 栃木版]
 県日光土木事務所は、2024年度事業概要と実施予定箇所をまとめた。国庫・交付金と県単・受託事業を含め、94カ所で約48億1500万円を執行する計画で、内訳は道路事業が69カ所で約40億2800万円、河川・砂防事業が22カ所で約4億3900万円、都市事業が2カ所で約4800万円、受託事業が1カ所で約3000万円となっている。本年度は新たに、国道119号上鉢石町・中鉢石町工区や上鉢石町Aなど道路事業3カ所と砂防急傾斜事業2カ所に着手。重点事業では、国道121号文挾バイパスII期で用地取得後に改良工事を発注するほか、川俣温泉川治線の若間工区ではトンネル整備に向けて坑口の法面工事などの準備を進める。 =4面に事業実施予定箇所

若間工区はトンネル施工へ準備

 本年度の新規事業を見ると、国道121号文挟バイパスはII期工区の調査に着手する。宇都宮今市線から鹿沼市との市境まで延長3500mで計画し、予備設計は完了して本年度は平面図化や公図公簿調査を実施する。なお、I期工区は重点事業として、板橋バイパスから主要地方道宇都宮今市線までの延長約3500mで事業を進めている。本年度は引き続き用地取得を進めて、取得できた箇所から道路改良工事を発注するほか、橋梁の詳細設計なども予定している。

 国道461号大渡工区は、鬼怒川を渡る大渡橋の南側で延長1020mのバイパスを整備する。昨年度に地元の同意を得られたことから、本年度は用地測量と物件調査を実施する。

 国道119号の東町地区では、JR日光駅や東武日光駅から神橋まで約1.5km区間で、歩道を拡幅しながら電線地中化や歩道美装化を実施している。このうち本年度は、最も北西側にあたる上鉢石町・中鉢石町工区に着手し、本年度は用地測量と設計を行う。

 なお、上鉢石町・中鉢石町工区の手前にあたる下鉢石町工区では本年度、用地補償のほか電線共同溝工事や照明施設工事を実施する。西側の電線共同溝工事を完了させるほか、東側の工事も発注して引き続き東側の工事を実施する。

 上鉢石町・中鉢石町工区とあわせて、急傾斜事業の上鉢石町Aも事業化した。昨年度に概略設計を実施しており、本年度は詳細設計と地質調査を予定する。パンウォール工法とノンフレーム工法の採用を想定するが、建物と斜面が非常に近接していることから、詳細設計の中で仮設工法も含めて検討している。

 砂防では寅巳山沢の砂防事業に着手し、本年度は砂防指定地に指定するとともに、設計や地質調査を実施する。杭式土石流・流木対策工1基を施工する計画で、用地取得のあと27年度までの事業期間で事業を実施する。

 重点事業は文挟バイパスI期工区や国道119号下鉢石町工区のほか、国道121号の川治防災を実施している。五十里から川治温泉川治までの防災対策で、全体7.4kmのうち優先区間となる延長約3.4kmは国交省の直轄権限代行事業で整備する。

 県は、直轄区間を除いた4km区間の調査を担当しており、昨年度は新たに整備する川治1号橋(橋長約93m)の予備設計を実施した。また、トンネル(延長1153m)は予備設計を繰越で本年度も実施しており、本年度はこれらに付随する調査を発注する。

 主要地方道川俣温泉川治線の若間地区は、八重沢橋から西側に延長約2.5kmのバイパスを整備し、このうち鬼怒川と山が迫り拡幅できない区間はトンネル化する。トンネル部は延長約930m、幅員7mの2車線で、本年度は用地補償のほか、トンネル東側の抗口の法面工事と、坑口の手前の沢に架ける橋梁の橋台工事を発注し、環境調査も実施する。

 都計道3・4・20平町東町線外2路線の街路事業は、国道119号から東武下今市駅まで延長555mで拡幅と電線類の地中化を進めている。本年度は電線の引込工事と照明工事を予定し、25年度に美装化を実施して事業を完了させる。

 土沢地内では、一級河川田川の河道拡幅の改良事業を進めている。本年度は、拡幅に伴い架け替えが必要となる市道橋の宮本橋で、橋梁詳細設計と地質調査を実施する。

 本年度に調査を実施する主な箇所は、主要地方道川俣温泉川治線の日陰工区で、事業説明会を実施したあと路線測量に入っていく。なお、昨年度に概略設計を実施しており、現在はルートを検討している。

 主要地方道今市氏家線の東町I工区は、現在施工中の下今市工区の延伸区間で、下今市駅前から東武日光線踏切まで約160m区間の道路詳細設計や電線共同溝の予備設計を実施する。下今市工区と同様に、現状の車道幅で路肩や歩道を拡大し無電柱化する。

 都市計画道路赤間々今中線の清原工区は、今市氏家線の国道461号との交差点から東側、今市中学校前の延長約1000mの拡幅・歩道整備と電線地中化で調査を実施する。道路の概略設計は完了しており、本年度は地元説明会や電線共同溝の詳細設計を予定する。

 国道119号の大沢小前工区は、大沢交差点の改良が完了したことで中抜けとなっている延長250mを拡幅して、歩道整備を実施する。本年度は用地測量を予定する。

 保全事業の主な箇所は、国道121号の五十里工区で落石防護柵工(延長約40m)や、国道122号の砂畑工区の猿下橋手前で落石防護柵工(延長約70m)を実施する。また、国道120号の金精トンネルは防水対策などの補修工事を実施し、中禅寺ダムでは堰堤の補修工事、三河沢ダムでは取水放流設備操作盤の更新工事を予定する。

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