国際防災拠点を設置 整備方針策定 建設業者との連携強化(佐野市)

[2024/8/6 栃木版]

 佐野市は、「国際防災拠点さの」の整備方針をまとめた。国際防災拠点の機能を具体化する施策としては、道路啓開での市内建設業者等の連携、道の駅やSA・PAへの拠点機能付加、ヘリコプター離発着適地の詮索、災害用資機材等のストックヤードの確保、再生可能エネルギー発電設備やEVスタンドの設置促進などを挙げている。今後市は、各施策を検討・整理するほか、2024・25年度は関係主体への支援体制を築くための調査を行い、町内で実証事業や支援体制整備などを進めて施策を精査する。26年度以降は総合計画基本計画に国際防災拠点の整備を位置付けて、着実に事業を推進していく。

 近年、世界的に災害の激甚化・頻発化が進んでおり、国でも国土強靭化の理念が提唱されている。市は国土強靭化に向けて、市のポテンシャル(自然災害のリスクの少なさ、国内へのアクセス性、立地企業の多様性)を生かし、国内外の他地域の災害でも迅速な回復に寄与する手段として、「国際防災拠点さの」の整備に着手する。

 国際防災拠点の基本コンセプトは、公共交通および市内施設等を生かし、市内全体で大規模災害時のバックアップ機能を担う。機能の一部を担う候補施設としては、佐野インランドポート、企業等、大型商業施設、道の駅、SA・PAを挙げている。

 国際防災拠点で確保すべき機能等は▽緊急輸送ルートの確保▽医療活動▽物資支援活動▽燃料、電力、ガス、通信の確保▽避難者の受入-としている。市の対象とする被災地は[1]首都直下地震緊急対策区域(関東地方など)[2]相互応援協定都市(県内全市町など)[3]親善都市・姉妹都市等[4]クリケット交流国[5]防災関連以外の施策で平時から連携している地方公共団体-とした。

 国際防災拠点としての機能・体制を具体化するために必要な施策として、緊急輸送ルートの確保では▽被災道路の調査・啓開等のため、市内建設業者・建設関連事業者との定期的な訓練(姉妹都市等の訓練も想定)や人材育成▽資機材等の更新や拡充▽道の駅やSA・PAへの拠点機能付加▽被災地派遣へ、市内建設業者・建設関連事業者とのスキーム(費用負担)の調整-などを想定している。

 また、医療活動では▽資機材等の適切な更新や拡充(医療コンテナ配備など)▽大規模病院・道の駅・SA・PAでの資機材等の適切な更新や拡充▽ヘリコプター離発着適地の詮索-などを挙げ、物資支援活動では▽市内への工場、物流関連事業者、備蓄倉庫等の誘致▽災害用資機材等のストックヤードの確保-などを想定した。

 燃料、電力、ガス、通信の確保では▽被災地のインフラ被害調査・復旧のため、設備業者等との定期的な訓練▽バイオマス発電設備の設置推進▽間伐木材の有効利用(木質ペレット)▽太陽光発電設備等の再生可能エネルギー発電設備の設置促進▽EVスタンド設置の促進▽設備業者等とのスキームの調整-などを行う。避難者の受入では、市営住宅の適切な維持管理などを実施する。

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