庁舎周辺に方向性 子育て世代や若者支える場を(下妻市)

[2024/8/6 茨城版]
 下妻市は市庁舎周辺エリアビジョン案を公表した。目指す方向性・将来像に「未来の景色をかえる場へ-こどもを育み、自己実現ができる成長のまち-」を掲げ、市庁舎周辺エリアに子育て世代や若者の未来志向を支える場を整備する方向性を示した。あわせて、旧本庁舎や市民文化会館の解体や跡地利用、旧第二庁舎の新たな活用なども盛り込んだ。市ではこのエリアビジョンを具体化するため、本年度から基本計画に着手する。基本計画は25年度末までにまとめ、その後の整備につなげる考え。

 エリアビジョンの対象施設は、▽市庁舎▽旧本庁舎▽旧第二庁舎▽下妻消防署▽市民文化会館▽総合体育館▽東部中央公園──など。周辺は下妻駅東口に位置しているため、下妻駅を含むエリア周辺との連携も視野に入れることを想定する。

 同エリアの課題には、▽老朽化・陳腐化する公共施設▽旧本庁舎跡地の活用▽飲食店不足▽市民文化会館問題──を挙げる。市民文化会館では、庁舎等建設基本構想・基本計画で、文化会館と下妻公民館を解体し、地域交流センターとして複合化する方針で進めていた。しかし、市議会などの存続を含めた意見を踏まえ、現在は再検討を行っている状況にある。

 これらの課題を踏まえ、ビジョン作成にあたっては、着目すべき事項を整理。子育て世代の親子や学生、若者をターゲットとし、子育て世代や若者の未来志向を支える場を目指すとした。

 主な内容には、▽子育て家庭が気軽に集える場▽自分自身が成長や挑戦を応援する場▽学生の居場所となる場▽国際的な交流を楽しむ場▽文化の交流と育成の場──を盛り込んだ。

 市では、ビジョンの具現化に取り組むため、本年度は基本計画に着手するが、策定委託料は補正で対応する予定だ。今後はビジョンの共有やサウンディング調査、社会実験などを行い、市民や関係者の声を反映させながら、具体的な事業計画を策定していく。

 エリア内の公共施設のあり方を施設ごとにみると、旧本庁舎は本年度に解体する。その際には旧第二庁舎の活用が課題とされている。第二庁舎は、建物の構造から集会施設などへの用途変更が困難となっているが、南側の旧本庁舎跡地との関連性も高いため、基本計画策定時にサウンディング調査などで活用の可能性を検討していく。付属施設である車庫や倉庫についても老朽化が進んでいるため、エリア内での再整備を検討する。

 市民文化会館と下妻公民館については、下妻公民館の電気と機械設備が市民文化会館側にあるため、市民文化会館の解体と、下妻公民館の大規模改修を同時に行う必要がある。下妻公民館は老朽化が著しいため、改修工事は早期の実施が必要とされている。公民館では、社会教育・生涯学習の機能を継続しつつ、より広い用途で使用できるようにするため、用途変更についても検討を進める必要があると明記している。

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