第二庁舎を耐震診断 民間活用の可能性判断(気仙沼市)

[2024/8/1 宮城版]
 気仙沼市は築114年が経過する第二庁舎の耐震診断調査業務を県建築士事務所協会(仙台市青葉区)に委託した。履行期間は9月30日まで。同庁舎は歴史的な価値があるため、新庁舎の建設後は民間事業者に利活用してもらう方向で検討している。診断結果を踏まえ、年度内に解体か残すかを決め、残す場合は利活用にどのような手法が有効かを判断する。

 同庁舎の規模は木造2階建て延べ約1000平方m。1910年に建てられた。本庁舎やワン・テン庁舎と同じ敷地に建っている。庁舎の一部は土砂災害特別警戒区域に指定されている。昨年度はハートビートプラン(大阪市)に委託して基礎調査を行った。

 本年度は耐震診断業務を委託して本格的に建物を調べる。新耐震基準を満たさない建物のため、保全費用がどの程度かかるかや、どのような手法で利用が可能になるかを検討する。用途を変更する場合に必要な手法なども探る。

 現在の市庁舎は田中地区に移転新築する。市は既存庁舎周辺の跡地利用について「気仙沼まちなかエリアビジョン」を策定し、官民まちなか推進事業で社会実験などを行っている。

 ハートビートプランは「気仙沼まちなかエリア未来ビジョン推進業務」を請け負った。同ビジョンでは三日町・八日町地区の沿道や内湾地区などで回遊や滞在をしたくなる環境と、地域の生活文化・街並みを体験できる場、さらにはコミュニケーションを楽しめる空間を創出し、地域内外から人を呼び込んで稼ぐことのできるエリアを目指す。

 具体的には歩行者空間となる「海の見える道」の整備や、内湾広場の機能向上、海の眺望を楽しめる居場所づくりなどに取り組む。本庁舎は解体撤去し、ワンテン庁舎と第二庁舎は民間事業者に有効活用してもらうことを考えている。

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