道路啓開計画を策定へ 啓開ルートや手順検討(千葉県)
[2024/7/30 千葉版]
千葉県は道路啓開計画の策定に乗り出す。本年1月に発生した能登半島地震の被災状況などを踏まえ、国土交通省や千葉市、県建設業協会(石井良典会長)など関係機関・団体と意見を交わしながら、道路啓開ルートや啓開手順の検討を本格化し、なるべく早急にとりまとめたい考えだ。
計画の策定に向け、関係機関と意見交換をする会議の初会合が29日、県庁で開かれた。会議のメンバーは、県や国土交通省、千葉市、NEXCO東日本、県建設業協会のほか、通信・エネルギー・水道関係機関で構成。会議は非公開で行われた。
2023年3月に策定した「千葉県大規模災害時応援受援計画」や、能登半島地震の被災状況を踏まえ、津波被害を想定した道路啓開計画となる千葉県版「くしの歯作戦」を見直し、新たに「千葉県道路啓開計画」を策定する方針だ。
津波だけではなく、地震による災害も想定し、他県からの応援を前提とした道路啓開ルートや啓開手順を検討していく。想定した被災量をもとに啓開作業に必要な人員や資機材を確保する。
県道路環境課の花岡信明課長は「能登半島地震の被災状況を踏まえ、大規模地震への備えを早急に整える必要がある」と強調し、「皆さんと意見を交わしながら、実効性のある計画にしていきたい」と意気込みを語った。
県は、東日本大震災を契機として、九十九里・南房総沿岸部で津波被害が起きた場合、救命・救援ルートを迅速に確保するため、15年11月に千葉県版「くしの歯作戦」を策定した。道路啓開候補路線を選定しているものの、具体的な実施体制などの整備が進んでいなかった。