県知事に要望書 国道6号整備など22項目盛る(県央首長懇話会)

[2024/7/27 茨城版]
 県央地域9市町村の各首長で組織する県央地域首長懇話会(座長・高橋靖水戸市長)は23日、県の25年度予算概算要求に対し、地域内で実施する事業の促進を求める要望書を大井川和彦県知事に提出した。要望項目は22項目で、このうち5項目は県央地域全体の要望として全市町村が要望している。主なものでは、国道6号の整備促進や社会資本総合整備事業などを盛り込んでいるほか、各市町村ごとの個別の要望では、水戸市が水戸勝田環状道路の整備促進、笠間市と茨城町が茨城中央工業団地の整備促進と県畜産試験場跡地の利活用およびアクセス道路の整備、ひたちなか市がひたちなか地区の土地利用推進を求めた。

 懇話会は水戸市と笠間市、ひたちなか市、那珂市、小美玉市、茨城町、大洗町、城里町、東海村の5市3町1村で構成する。当日は各首長らが県庁を訪れて、大井川知事に県央地域内の主要事業の促進や各種支援の充実を要望した。

 冒頭あいさつした高橋市長は、地域経済の活性化や生活環境の充実などの施策を9市町村が協力して進めていることを紹介。続けて今回の要望内容を説明し、「要望事項の実現とともに、県央地区の発展に向けて県からの特段のご支援をお願いしたい」と述べた。

 要望内容では、県央地域全体の要望として、▽原油価格・物価高騰対策への支援・地方自治体に対する財政支援▽財政支援制度の創設▽小児医療および周産期医療体制の確立に向けた支援▽国道6号の整備促進▽社会資本総合整備事業──の5項目を盛り込んだ。

 このうち建設業関連の内容を見ると、国道6号の整備促進では、広域交通ネットワークの形成や観光の振興をはじめ、さまざまな取り組みに同線の機能強化が不可欠だと指摘。具体的には、水戸市酒門町交差点立体化の整備促進や小美玉道路(仮称)の早期事業化、茨城町地内(小美玉市行政界から茨城町長岡の区間)と那珂市向山から東海村石神外宿間の4車線化に向けた整備促進について、国に働きかけるよう求める。特に那珂市向山から東海村石神外宿の区間は、東海村が重点要望に位置付けている。

 社会資本総合整備事業では、県央地域における防災・安全交付金事業、社会資本整備総合交付金事業、都市構造再編集中支援事業、交通安全対策補助事業、地域連携道路補助事業の一層の推進を図るため、事業費の補助を国に働きかけるよう要望した。また財政支援制度の創設では、施設の統廃合や廃止による公共施設の除却に対する助成制度の創設を求めた。

 市町村別の要望のうち重点要望をみると、小美玉市は茨城空港の利用促進とアクセス向上を要請。笠間市と茨城町は茨城中央工業団地の整備促進と企業誘致、県畜産試験場跡地に係る利活用、アクセス道路の整備と企業誘致の推進を要望した。

 ひたちなか市は、県施行の工業団地造成事業の着実な推進など、ひたちなか地区の土地利用について要望。城里町は、道の駅かつら移転に係る地域活性化促進を求めた。

 水戸市は水戸勝田環状道路関連で、都市計画道路中大野中河内線と東中根高場線の整備を要望した。このうち中大野中河内線では、国道123号交点から国道50号交点間(西原工区)、主要地方道水戸神栖線交点から幹線市道3号線交点間(千波西工区)の早期整備に加えて、那珂川への橋梁架設などを希望した。

 このほか、那珂市は国道118号について、飯田から中里間での4車線化の早期整備を要望。大洗町は都市計画道路吉沼磯浜線の国道245号から都市計画道路関根祝町線間の早期事業化を求めている。

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