初弾工の水路工発注 楡木BPII期 調整池や道路改良も(県鹿沼土木)
[2024/7/25 栃木版]
県鹿沼土木事務所は、国道293号楡木バイパスII期工区で、本年度から工事に着手する。初弾工の「水路工事293号楡木BPその1」は22日に開札し、上岡土建(鹿沼市)が4380万円で落札した。本年度はこのほか、調整池工事や道路改良工事2件の発注を予定。また、東北道をアンダーパスする函渠はネクスコ東日本と整備の協定を結んでおり、このあと同社から詳細設計が発注される見通しで、順調にいけば26年度から本体工事を開始する。
楡木バイパスII期は全体延長が3000mで、整備にあたっては主要地方道宇都宮楡木線交差部から南側の延長約1200mを優先区間に位置付けて暫定2車線(将来4車線)で整備し、暫定的に市道0363号線を経由して楡木バイパスI期工区と接続する。その後は、残る北側の約1800mを完成2車線で順次整備する。
標準幅員は、宇都宮楡木線より南側が30.25m(車道3.25m×4、中央帯1.75m、路肩0.75m×2、施設帯2.0m×2、副道5.0m×2)、北側が22m(車道3.25m×2、路肩0.75m×2、施設帯2.0m×2、副道5.0m×2)で、主要構造物は一級河川黒川を渡河する橋梁1橋(橋長118m)と、東北自動車道をアンダーパスする函渠1基(延長51m)で計画する。
総事業費は約50億円で、内訳は測量設計費が約2億円、用地補償費が約7億円、工事費が約44億円。事業予定期間は、21年度から30年度までの10カ年を見込む。これまでに、優先区間の設計を策定してきたほか、23年秋ごろから優先区間で順次用地取得を進めてきた。用地買収は、23年度末の進捗率が33%となっている。
今回発注した水路工事は、優先区間ではない宇都宮楡木線より北側の暫定市道取付区間で、ここに設置されている既存の農業用水路を付け替える工事となる。延長は約150mで、約6カ月の工期で施工する。
このほか本年度は、2カ所整備する調整池のうち、南側(水面積2866平方m、容量2839.4立方m)の工事を発注するほか、バイパスの用地がまとまった箇所で道路改良工事に着手し、延長180mを施工する。
楡木バイパスと交差する国道352号は、現状のままだと鋭角で交差してしまうことから、これを避けるため南側の調整池に沿って付け替える。延長は約200mで、この道路改良工事も上半期中の発注を予定する。
東北自動車道との交差部は、函渠1基の整備を委託する協定をネクスコ東日本と結んでおり、本年度はこのあと詳細設計を同社から発注する見通し。25年度の夏ごろにも設計を完了させ、順調にいけば25年度後半に準備工を実施して、26年度から29年度までの4カ年で本体工事を実施する予定となっている。
なお、主要地方道宇都宮楡木線より北側については、調整池や黒川を渡河する橋梁も含めて、優先区間の整備状況を見ながら今後設計の策定や用地買収などを実施する。
国道293号は茨城県日立市から足利市に至る広域的な幹線道路で、緊急輸送道路にも指定されている。特に楡木バイパスの事業区間は、広域道路網マスタープランで位置づけられた主軸を補完するルート「栃木西部都市連絡幹線」の一部を形成し、地域間の連携・交流を促進する重要な役割を担っている。
しかしながら現道は交通量が多く、朝夕を中心に交通渋滞が発生し、事故危険箇所にも指定されている。このため、この路線の整備を計画的に進め、2015年度に鹿沼南バイパスを暫定2車線で供用させ、楡木バイパスI期工区も20年度末に完成2車線で供用した。
現在事業を実施しているの楡木バイパスII期は、中抜けとなっている楡木バイパスI期工区と鹿沼南バイパスの間を整備することで、地域間連携・交流の強化や渋滞緩和による交通の円滑化などを図るものとなる。