担い手確保工事の実施状況まとめ 週休2日が824件(県土木部)

[2024/7/25 茨城版]
 県土木部が発注する建設業の担い手の確保・育成に関する工事について、昨年度の実施状況が分かった。対象となるのは、ICT活用促進工事、遠隔臨場、ASP、完全週休2日制促進工事、快適トイレ普及促進工事で、各工事ごとに実施件数を公表した。それによると、週休2日制は824件で実施し、過去最大の実施件数となった。県検査指導課では4月に適用となった建設業の時間外労働の上限規制に対応するため、さらなる取り組みを推進していく考えだ。また、ICT活用促進工事は208件、ASPは1973件、遠隔臨場は1434件、快適トイレは781件での実施となり、いずれも過去最大の実施件数となっている。

 項目ごとにみると、完全週休2日制促進工事は前年度比425件増の824件となった。実施件数が増えた要因として、4週8休の取り組みでも可とするようになったことや発注者指定型の対象拡大などが挙げられる。予定価格3000万円以上の工事はすべての業種が原則、発注者指定型の対象となるため、実施件数の増加につながった。

 ICT活用促進工事は同46件増の208件。23年4月から発注者指定型とチャレンジいばらきI型について、適用範囲と対象工種の拡大を行った結果、対象件数が前年度の596件から790件へと拡大している。対象工事が拡大したことに伴い、実施件数は過去最大を記録することとなった。さらに、これまで指摘されていたICT施工の地域差も減少する傾向にあり、県内全域でICT施工が進みつつあるという。

 ASPについては、22年4月から県土木部発注の営繕工事を除くすべての工事で原則適用となっており、件数は同440件増の1973件で活用となった。遠隔臨場は1434件での実施となり、昨年度の502件を大幅に上回った。どちらも制度に対する認知度と意識が高まったからではないかと、県担当者は分析している。

 また、快適トイレ普及促進工事では同214件増の781件を実施した。近年は要領上の変更はなく、これまでのルールを踏襲している。

 県土木部では、働き方改革やICT活用などの取り組みをさらに促進するため、4月1日付で実施要項を改定している。このうち週休2日制については、発注者指定型の適用範囲を現行の「予定価格3000万円以上の工事」から「全ての工事」へと拡大した。

 県検査指導課では、いずれの項目も過去最大の件数となり、全体として生産性の向上や就労環境の改善が着実に進んでいる状況にあると説明した。4月から時間外労働の上限規制が適用となったことには、「現在は小規模な工事でも扱いやすい技術がでてきている。より多くの受注者に積極的な活用をお願いしたい」とコメントしている。県土木部では、週休2日と生産性の向上に向けてさらなる取り組みを進めていくとしている。

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