24~25年度に41橋補修 宮城県石巻市が長寿命化の工事

[2024/7/23 宮城版]
 石巻市は市橋梁長寿命化修繕計画に基づき、2024~25年度の2カ年で41橋を補修する予定だ。年度別では本年度に13橋、25年度に28橋の補修工事を行いたい考え。補修設計業務は工事の前年度に委託する。いずれの橋も河川に架かっており、点検で早期措置段階のIII判定を受けた。

 本年度に工事を予定しているのは▽伊原津横断歩道橋▽馬鞍橋▽天神橋▽山崎前1号橋▽向田上道橋▽引浪橋▽上稲荷橋▽二子橋▽根岸橋▽井内機場2号橋▽高伊橋▽小積橋▽川尻橋──の13橋。

 これらの橋梁は上部工の床版の剥離、鉄筋の腐食、たて壁の洗堀などが発生している。

 補修設計業務は昨年度に、根岸橋、井内機場2号橋、高伊橋、小積橋、川尻橋の5橋を千代田コンサルタント(東北支店・仙台市青葉区)、残り8橋をアジア共同設計コンサルタント(仙台事務所・仙台市青葉区)に委託した。

 25年度に工事を予定しているのは▽石巻大橋▽中浦橋▽小塚裏畑橋▽引浪前橋▽水浜2-1号橋▽笈入橋▽〆切橋▽保育所前橋▽11号水路橋▽一反橋▽舟入橋▽第3久米田前橋▽第4朝日前橋▽猿田前橋▽川南橋▽四ツ筒橋▽二ツ橋▽中谷地橋▽今井橋▽舟場上2号橋▽新雷神4号橋▽相川3号橋▽女川鋼橋▽立神橋▽寺前橋▽狩又橋▽大田橋▽戸泥橋──の28橋。

 この28橋は9月までに一般競争入札で補修設計業務を委託する見通し。概算業務規模は9500万円。履行期間は約6カ月。ただし、引浪前橋については地元と今後の扱いを調整しており、補修設計の対象に含めない可能性がある。

 III判定を受けている橋梁はこのほか、橋長13mの川前1号橋、橋長14.2mの沖新田橋、橋長30.5mの辻堂橋、橋長22mの新古川3号橋、橋長17.6mの大日橋。これらは使用不能となっている橋長6.3mの三の坪橋とともに撤去を検討している。沖新田橋は農業用の水路に架かっており、農業関係の別事業で撤去する。

 市が管理している橋長2m以上の橋梁は3月時点で877橋あり、建設後に50年を経過した高齢化橋梁は9%だが、10年後には約85%、20年後には約93%に達する見込み。このため、長寿命化修繕計画に基づいて損傷・劣化が軽度なうちから対策を実施する予防保全に取り組む。

石巻大橋は電気防食を先行発注

 同市が補修を予定している橋梁のうち石巻大橋は、昨年度に国から補助金として1600万円の事業費が配分されたため、最初に電気防食設備の補修工事を発注する。本格的な補修工事は2025年度から複数年かけて進める予定。

 同橋は1967年に架設されてから56年が経過する。市道中埣橋石巻大橋伊原津一丁目線の橋梁で旧北上川に架かっており、大橋地区と不動町を結んでいる。

 市橋梁長寿命化修繕計画の個別計画を見ると、3月末時点で同橋の概算工事費に約3億2000万円を見込んでいる。昨年度は国の補正予算で1600万円が配分されたため、2月補正予算に工事費を計上した。

 電気防食設備の補修工事は一般競争入札(事後審査)を公告中で、23日まで参加申請書や入札書を受け付け、24日に開札する。参加資格は県内に事業所を置き、電気工事について市の承認簿に登録があり、経審の総合評定値が630点以上あることなど。

 この工事では、下部工のさび止めで使用している電気防食設備が破損しているため、川の中の橋脚を対象に白金チタン電極や亜鉛照合電極などを設置するほか、直流電源装置盤内を改造する。工期は2025年2月28日まで。

 電気防食工事の設計業務はナカボーテック(東北支店・仙台市青葉区)に委託した。同社は過去に同橋の災害復旧工事を請け負い、橋脚6基の電気防食装置を直したことがある。

 同橋は電気防食の破損以外に、さびや床版のひび割れなどが発生しているため、25年度以降に上部工と下部工の補修を進める。

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