楡木BPII期が着工 事業概要 武子川深津工区は橋梁架替へ(鹿沼土木)
[2024/7/23 栃木版]
県鹿沼土木事務所の事業概要によると、本年度は前年度の繰越分も含めて、事業箇所98カ所に事業費約70億3000万円を計画する。内訳は、道路事業が62カ所で約51億2000万円、河川・砂防事業が36カ所で約19億1000万円となった。新規事業は、羽立一号沢と小鹿の入下沢の2カ所の砂防事業で堰堤の詳細設計を策定。重点事業では、国道293号の楡木バイパスII期で調整池工事や道路改良工事などに着手し、東北道横断BOXの設計も策定する。一級河川武子川の深津工区は、JR東日本で日光線の橋梁架け替え工事に着手し、上田町工区の電線共同溝事業は本年度からの工事開始に向けて調整を進めている。
新規事業は、砂防事業で羽立一号沢と小鹿の入下沢の2カ所に着手する。土石流危険渓流の対策で堰堤を各1カ所整備する計画で、昨年度に測量と砂防全体計画の策定を実施しており、本年度は詳細設計と地質調査を実施する。引き続き、2025年度は用地を取得し、羽立一号沢は2カ年で施工して27年度、小鹿の入下沢は3カ年で施工して28年度の事業完了を目指す。
重点事業は、国道293号楡木バイパスII期で、本年度から調整池工事とバイパスの用地取得済みの箇所の道路改良工事延長180m、国道352号の現道切り替えに伴う道路改良工事延長200m、および宇都宮楡木線北側の暫定市道取付区間の農業用水路の付け替え工事延長150mを実施する。また、東北自動車道直下の横断BOXの詳細設計についても、NEXCO東日本に委託して本年度から策定する。
一級河川武子川の深津工区は、大規模特定河川事業で本年度からJR東日本による日光線の橋梁架け替え工事に着手する。JR東日本とは24年1月に基本協定を締結し、同社から工事をユニオン建設(本社・東京都)に発注済み。事務所の事業費は約1000万円で、主要地方道宇都宮楡木線から進入する工事用道路の工事を実施する。
国道121号天神町工区の電線共同溝は、引き続き用地取得を進めるほか、国道293号との交差点の隅切り部分は、電柱が撤去できればインターロッキングの工事を発注する。
天神町工区に隣接する国道293号の上田町工区は、両側あわせて約1km(道路延長0.5km)の整備延長のうち、NTTの既存埋設管との近接区間をNTTに工事を委託する方向で調整中。それ以外の区間のうち、南側の約100mは事務所から本年度に工事を発注するようNTTと調整している。
なお、上田町工区から鹿沼駅に向かって延長約360mの府所本町工区についても、電線共同溝の整備に向けて23年度から県単事業で平面図化や路線測量に着手しており、本年度は道路の詳細設計や電線共同溝の予備設計を発注する予定。この工区は上田町工区と同様に、既存の道路幅員の中で整備を実施する予定となっている。
国道121号の武子工区は、武子工業団地周辺で大雨の際に道路が冠水することから、側溝断面を拡大して行川に架かる湯沢内橋や黒川に架かる平成橋の周辺に排水する。全体延長2400mのうち、国道や県道区間の1700mは設計が完了しており、本年度は市道0008号線の714m区間について排水樋管も含めた詳細設計を予定する。
砂防堰堤は、大芦川の床固工で砂防堰堤2号(堤長117m、高さ6.8m)、同3号(堤長107m、高さ7.5m)、同4号(堤長124m、高さ6.7m)の整備に向け、本年度は用地調査や用地補償を予定する。
また、大越路沢(堰堤[1]:堤長71.4m、高さ11.5m、堰堤[2]:堤長40.9m、高さ6.3m)、山際沢(堤長43.8m、高さ7.5m)、山際二号沢(堤長30.1m、高さ6.5m)についても設計が完了しており、本年度は用地調査や用地補償を計画。
中ノ畑IICの急傾斜事業は、鉛直式崩壊土砂防護柵工延長157mやロープ掛工2カ所を実施する計画で、21年度に設計を策定しており、本年度は進入路の検討業務をこのほど発注した。進入路の設計がまとまれば、本年度中にも工事に着手する。
橋梁の修繕対策は、県道上久我栃木線の本城橋で伸縮装置の取り替えや橋面舗装、主要地方道鹿沼足尾線の天満橋側道橋で橋梁塗装や沓座補修、橋面舗装、同線の塩沢橋でひび割れ補修、国道293号の無名橋でBOX布設替えを実施する。
このほか、県道樅山停車場線の樅山工区では、延長460mの道路拡幅や歩道整備で、このあと詳細設計を発注する。県道下永野上永野線の中坪工区は、延長800mの歩道(片側)を整備するもので、本年度は路線測量と詳細設計を計画している。
叶桑沢の砂防堰堤は、本年度から測量調査に入る。一級河川荒井川の延長500mの河川改修は、本年度から着手して測量および平面図化を実施する。県道板荷玉田線の辺釣工区は、本年度もトンネルの取り付け道路の用地買収を継続する。
一級河川小藪川の河川改修は、中流域の延長600mで河道断面の確保を目的とした整備を実施しており、本年度は護岸工事2件と黒岩堰の上部工の発注を予定している。一級河川思川の深程工区は、23年度の補正から用地買収に着手しており、本年度も引き続き用地買収を進めていく。