盛土等調査でプロポ 県内24市町で 参加表明は来月1日まで(県資源循環推進課)

[2024/7/20 栃木版]

 県環境森林部資源循環推進課は19日、「盛土規制法に基づく既存盛土等調査業務委託」に係る公募型プロポーザルを公告した。参加資格は県の入札参加資格を有し、地方公共団体が発注する同種または類似業務の受注実績があって、確実に履行できる者であることなど。対象区域は中核市の宇都宮市を除く県内24市町で、履行期間は2025年3月26日まで。委託料は、税込み1億0475万3000円を限度とする。

 このプロポーザルは、宅地造成および特定盛土等規制法に基づく宅地造成等工事規制区域や、特定盛土等規制区域内に存在する既存盛土等の分布状況の把握、応急対策の必要性の判断、安全性把握調査の優先度評価を行うにあたって、複数の者から豊富な知識と技術や経験などに基づく企画提案を受け、公平、透明、円滑に委託契約の相手方を特定することを目的に実施する。

 業務の概要は▽計画準備及び業務計画書作成▽資料収集及び整理▽既存盛土等分布調査▽応急対策の必要性判断▽安全性把握調査の優先度評価▽既存盛土等カルテ等の作成▽報告書取りまとめ-とし、調査対象は優先的に調査することとされている一定の規模(面積が3000平方m)以上の盛土等とする。 

 ただし▽2017年度に県が調査を実施した大規模盛土造成地▽21年度に実施した盛土総点検で県が把握している盛土▽基礎調査の実施中に災害が発生する危険性が高いものとして把握した盛土▽その他周辺住民からの通報情報等により県が把握している盛土-のような盛土等については、3000平方m未満であっても3000平方m以上と同様の業務内容を実施する。

 スケジュールは、参加表明書および参加資格誓約書を持参または郵送(書留郵便に限る)、電子メールで8月1日午後5時まで(必着)、企画提案書を持参または郵送8月9日午後5時まで(必着)受け付ける。プレゼンテーションは8月22日を予定し、企画提案書と見積書およびプレゼンテーションの内容をもとに審査して、結果を8月中に通知・公表する。

 21年7月に静岡県熱海市で発生した土石流災害を受け、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制する盛土規制法が23年5月26日に施行された。この改正により、経過期間となる25年5月25日までに新たに「宅地造成等工事規制区域」と「特定盛土等規制区域」を指定し、その区域では盛土や切土、土石の堆積に関する工事の規模により許可手続きが必要になる。

 本県では、25年4月1日から法の運用を開始できるよう、中核市の宇都宮市を除く県全域を対象に2カ年で基礎調査を実施してきた。その結果、宇都宮市を除く県内全域を宅地造成等工事規制区域、または特定盛土等規制区域のいずれかに設定した規制区域の案を、基礎調査の結果として取りまとめている。

 宅地造成等工事規制区域は都市計画区域の全部に加え、都市計画区域外にある集落を設定している。また特定盛土等規制区域は、市街地や集落などから離れているものの、地形などの条件から盛土が行われれば人家に被害を及ぼしうるエリアとして設定している。

 さらに特定盛土等規制区域では、都道府県の条例により許可対象規模の引き下げができることになっているため、これまで盛土等を規制してきた県と市町の土砂条例の規制状況などを踏まえ、市町との調整のもと、特定盛土等規制区域の規制が各市町の土砂条例よりも緩和されないよう、許可対象規模を引き下げるため盛土規制法に関する施行条例の制定を検討していく。

 プロポーザルに関する詳しい問い合わせは、県環境森林部資源循環推進課まで。

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