大沢川に砂防堰堤検討 国際航業で洪水氾濫対策 宮城県 石巻市北上町など(宮城県東部土木)
[2024/7/18 宮城版]
県東部土木事務所は、一級河川北上川水系大沢川(石巻市北上町)の土砂・洪水氾濫対策計画を定める。対策としては砂防堰堤の配置などを想定しており、土石流の流れや河床高の変動などをシミュレーションして効率的な施設配置を考える。本年度に検討業務を国際航業(仙台支店・仙台市若林区)に委託して同計画を定め、可能であれば来年度から堰堤の測量や設計に着手したい意向だ。
大沢川は北上川の支流で、県の管理区間が北上川との合流地点から延長6.8km。そこからさらに上流は普通河川として市の管理になっている。流域面積が大きく、大沢川に流れ込む支川も多いため、土砂・洪水氾濫対策を検討するに当たっては普通河川の部分も含めて調査する。
同計画の検討業務は6月27日に一般競争入札を開札し、総合評価を経て国際航業が調査基準価格と同じ3575万9000円で落札した。予定価格は4496万1000円だった。業務の履行期間は2025年3月31日まで。
この業務ではシミュレーションによって土石流の流れや分量、河床高の変動、被害状況などがどの程度になるかをモデル計算して把握し、流域治水の観点から効率的な堰堤の配置を考える。対象流域面積はおおよその値として15.6平方kmを設定しているものの、今回の業務で詳細に把握する。業務場所は北上町女川地区他。
大沢川には現在、堰堤が3基あるものの、1基は2019年の東日本台風で流出したため、新たに造り直すための設計を本年度に実施している。別の1基も老朽化が進んでいるため、改築する方向で設計を行っている。これらの工事は来年度以降に発注する。
場所打法枠設計を復建技術コンサル
同事務所は、前浜の2急傾斜地測量調査設計業務を復建技術コンサルタント(仙台市青葉区)に委託する。業務委託に当たっては6月27日に一般競争入札を開札し、総合評価を経て同社が1172万4000円で落札。予定価格は1488万1000円、調査基準価格が1172万1000円だった。
この業務は石巻市寄磯浜地区の急傾斜地施設について、2022年度の点検で一部崩壊が確認されたため、施設機能の確保に向けて設計などをまとめる。具体的な業務内容は地形測量、路線測量、機械ボーリング、法面1カ所の予備設計、アンカー付き場所打ち法枠1カ所の詳細設計など。履行期間は2025年3月31日まで。