国・県予算編成要望に42項目 住環境整備を追加(水戸市)

[2024/7/19 茨城版]
 水戸市は10日、来年度の国・県予算編成に対する要望事項をとりまとめ、市議会に報告した。要望事項は前年度と比べ、項目数が2項目増えて42項目、事業数が15事業増えて144事業となった。建設関連の主な新規要望には、▽安心・安全な住環境の整備について▽千波公園の整備に対する補助▽幹線市道35号線(農業試験場線)の整備に対する補助──などを盛り込み、新たに住環境整備への支援を求める。

 国・県の予算編成に対する要望は、要望した補助事業費を確保して計画的に事業を進めることを目的に、毎年7月ごろの各省庁の次年度概算要求が始まる時期に行っている。要望活動では、高橋靖市長や市幹部職員が、公共事業費や補助金の確保、事業への早期着手を陳情していく。

 このうち、県に対する要望は近く大井川和彦知事へ要望書を提出する。国に対する要望については、県選出国会議員や関係省庁の大臣・局長クラス、国土交通省関東地方整備局などに対して行う予定となっている。

 要望事項の内訳をみると、市事業分が30項目76事業、県事業分が16項目56事業、国事業分が13項目30事業となった。要望先は重複を含めて、国に対する要望が30項目89事業、県に対する要望が36項目115事業となる。

 建設関連の新規要望のうち、公営住宅等ストック総合改善事業(個別改善)と狭あい道路整備等促進事業の2項目では、安全・安心な住環境の形成へ支援を求めた。公営住宅の多くは昭和40年代から50年代にかけて建設され、老朽化が進んでいることから計画的な更新を行っているもので、総事業費は14億8447万円を投じる。来年度は河和田住宅と平須町住宅、六番池住宅などの整備に3億1000万円を投じ、うち1億3950万円を国費として要望している。

 狭あい道路については、災害時の安全性と生活の利便性向上のため、拡幅整備に取り組んでいる。しかし、事業完了までには長期間を要することから、早期整備実現のため要望に追加することとした。総事業費には19億0001万円を投じる。25年度は常磐21、22号線ほか36路線の整備を計画し、事業費は4億3000万円と試算。このうち、2億1500万円の補助を国に求めていく。

 都市公園事業・防災安全交付金については、本年度から新たに千波公園の整備に対する補助を追加した。事業期間は28年度までで、総事業費は32億2700万円としている。25年度に行う大塚池公園と七ツ洞公園、東部公園、植物公園、保和苑、千波公園の整備費合計5億0530万円のうち、国費として2億5265万円の補助を求めている。

 幹線市道35号線(農業試験場線)は、接続する国田11号線と一体的な整備を図るため要望に加えた。2路線の総延長は2420mで、幅員はそれぞれ9m、9.5mで計画。事業期間は40年度までとし、総事業費は13億9280万円。25年度は用地測量や土地評価、補償調査、用地取得などで4300万円を試算しており、このうち国費要望額は2365万円となる。

 今回はこれらの要望に加え、原油価格・物価高騰への対策に係る要望を行う。要望内容には、価格高騰の影響を受ける中小企業や地方自治体への支援などを盛り込んでいる。

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