九十九里・南房総の水道統合へ 老朽化対策や耐震化を推進(千葉県)

能登半島地震を踏まえ、老朽化対策や耐震化の重要性を訴える熊谷会長

能登半島地震を踏まえ、老朽化対策や耐震化の重要性を訴える熊谷会長

[2024/7/19 千葉版]
 千葉県九十九里地域・南房総地域の水道用水供給事業体と県営水道の統合協議会(会長・熊谷俊人知事)の第7回会合が18日、ウェブ方式で開かれた。浄水場や管路の状況などを踏まえ、老朽化対策や耐震化を施設整備計画に位置付け、計画的に進めていくことを確認した。

 両地域では、九十九里地域水道企業団と南房総広域水道企業団を解散し、水道用水供給事業を統合した上で、県企業局が経営する方向で検討が本格化しており、2026年4月の統合を目指している。会合では浄水場や管路の老朽化対策、耐震化に関する調整のほか、財政収支計画の基本的な考え方などを協議した。

 浄水施設の整備状況をみると、両企業団の土木・建築構造物は法定耐用年数を超えていないものの、設備類は法定耐用年数を超えている施設が多いため、計画的に更新する方針だ。

 管路をみると、九十九里地域水道企業団では法廷耐用年数を超えているものが約6割を占める。南房総広域水道企業団では法廷耐用年数を超えている管路はないものの、将来的に老朽化が見込まれる。そのため、管路の老朽化対策を促進する。

 耐震化の状況をみると、九十九里地域水道企業団では浄水施設と管路の一部が耐震化されていない。南房総広域水道企業団では浄水施設が耐震化されているものの、管路の一部が未実施。これらのことを踏まえ、耐震化を計画的に進めていく。

 熊谷会長は、能登半島地震で発生した断水の状況を説明し、「老朽化対策や耐震化を進め、災害への対応力を高めていくことが重要」と述べ、水道事業統合に向けた協議を加速させる考えを示した。

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