文化的施設を再公告 来月19日開札 設計見直しで事業費増額(茨城町)

[2024/710 茨城版]
 茨城町は、「(仮称)町新たな文化的施設建設工事」の一般競争・郵便入札を再公告した。開札日は8月19日を予定している(公告の概要は2日付公告欄に掲載)。前回の入札が不調となったことから、事業費増額などの設計見直しを行い、予定価格は34億5291万円とした。工事は外構工事を除いた建築工事や設備工事の一括発注で、工期は26年3月20日まで。入札参加申請は16日まで受け付ける。工事は議会案件となり、9月定例議会までに承認を得て着工する。

 この事業は、中央公民館が東日本大震災で大きな被害を受けたことを踏まえて、新たな文化的施設を整備するもの。建設場所は公民館の跡地で、昨年度に既存施設の解体工事を実施した。解体工事と文化的施設整備の実施設計業務は、岡田新一設計事務所(東京都文京区)が担当している。

 町は3月に建設工事に係る一般競争入札を実施したものの、入札は不調となっていた。これを受け、4月末にヒアリング調査をしたところ、昨今の人件費や物価の高騰が原因と判明。設計の見直しを行って、事業費を増額する措置をとった。

 新たに整備する文化的施設の規模は、RC造一部S造3階建て、延床面積は3679平方m。具体的な施設機能は、▽ホール機能▽活動支援機能▽交流促進機能▽施設運営機能──の4機能を盛り込む。ホール機能では、合唱や演奏、演劇などの文化活動や大規模な式典に対応できるよう、ホールやホワイエなどを配置。ホールは移動観覧席297席、スタッキングチェア195席の計492席を確保する。舞台形式はプロセニアム形式を基本としながら、平土間形式への転換も可能とし、ダンスや軽運動、パーティーなどの活用ができるものとしている。

 活動支援機能には、音楽スタジオや軽運動室、会議室などを整備。このうち会議室には、備品として移動式の和室の設置を予定する。交流促進機能では、多目的室やラウンジ、屋外イベント広場、テラスなどを盛り込む。ラウンジのなかには、飲食のできるカフェを設置する。

 施設運営機能には、事務室とキッズルーム、創作スタジオなどを導入。創作スタジオには調理台を設け、料理教室や理科教室が開催できるものとしていく。施設には、このほか階段や廊下、倉庫、トイレ、授乳室、機械施設、エレベーターなどを配置する。

 文化的施設は指定避難所としての役割を担うため、施設の耐震化や不燃化を実施するなど、災害時の防災拠点としての機能も備える。特に屋外イベント広場は、雨天時でもぬかるまない舗装を施し、緊急車両などの寄り付きにも配慮する「防災広場」として整備。また環境面への配慮として、外皮の高断熱化やLED照明、高効率空調機の採用など省エネルギー設備による環境負荷低減を図っていく。

 入札参加形態は、2者または3者JVで、全ての構成員は建築一式工事について、特定建設業の許可を受けていることが必要となる。代表構成員は、県内に本店または支店などを有し、建築一式工事A等級で総合数値が1300点以上の者。1981年以降に新耐震基準により設計されたRC造またはSRC造で、座席数が300席以上のホールを有した建築物の建築一式工事について、元請けとして施工した実績なども求める。

 代表構成員以外の構成員(その1)は、建築一式工事A等級で1000点以上の者とし、2者JVの場合には県水戸土木事務所管内に本店、3者JVの場合は茨城県内に本店を有することが条件となる。構成員(その2)は、県水戸土木事務所管内に本店を有し、建築一式工事A等級で900点以上、もしくは町内に本店を有し、建築一式工事A等級で720点以上の者とする。

 入札参加申請は16日まで、総務部財政課へ入札参加資格申請書や特定建設工事共同企業体協定書などの書類を郵送で提出する。入札書は郵送で8月16日午後5時必着で提出し、19日に開札する。

 工事は議会案件となり、遅くとも9月議会での契約承認を想定する。また、今回の工事の対象外となる外構などの工事については、25年度に実施する予定だ。

 問い合わせは総務部財政課契約・財産管理グループ(直通電話029-297-5005)まで。

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