新規の赤沢川で設計 防災減災事業 29地区に事業費5.8億円(県農地整備課)

[2024/7/9 栃木版]

 県農地整備課は、2024年度の農村地域防災減災事業の実施箇所をまとめた。県事業は農業用河川工作物応急対策事業で堀抜用水堰(那須烏山市)、ため池等整備事業で赤川ダム(宇都宮市)、用排水施設整備事業で新規の赤沢川(上三川町)の3カ所を計画し、1億5600万円を割り当てる。このほか、市町が主体で実施する防災重点農業用ため池緊急整備事業には19地区52カ所に23年度国補正と合わせて3億2756万円、廃止工事には6地区に1億0180万円が配分された。

 県事業のうち、新規は用排水施設整備事業の赤沢川で、排水樋門の整備一式のほか延長700mの水路工を計画する。事業期間は本年度から27年度までの4カ年で、総事業費は約7億1900万円を見込む。本年度は国から6900万円の内示を受け、実施設計を策定する。

 継続事業の那珂川に設置された堀抜用水堰は、老朽化が進んでいるほかゲート開閉位置が低く洪水時に水没して管理に危険が伴うため、農業用河川工作物応急対策事業で改修している。本年度も引き続き堰改修工事を実施して、年度内の工事完了を目指す。

 赤川ダムは1970年に完成した農業ダムで、施設の老朽化や劣化が進んでいることから、ため池等整備事業で改修している。本年度は事業費6900万円の内示を受け、用排水施設工事を継続して同じく年度内の工事完了を目指す。

 市町の防災重点農業用ため池緊急整備事業は、19地区の52カ所で実施計画または実施設計を策定するため、当初割当の1億9393万円と23年度国補正の1億3362万円が配分された。このうち新規は石並池(益子町)、栃木市(栃木市)、足利市II(足利市)の3地区で、いずれも本年度単年で実施計画を策定する。また廃止工事は、宇都宮市の高松赤坂溜や泰五郎溜、矢板市の新溜など6地区に1億0180万円が内示され、本年度の工事完了を目指す。

 なお農村防災力強化事業では、思川、鬼怒川、荒川流域の農振地域雨水流出抑制対策に向けて、本年度は基本指針の策定などを委託。また、6地区のため池低水位管理などを実施するため、3063万円が配分された。

 本年度の農村地域防災減災事業の実施地区は次の通り。(▽地区名・関係市町=[1]全体事業量[2]工期[3]全体事業費[4]24年度実施内容[5]当初割当、単位・万円。▼は新規)
【農業用河川工作物応急対策事業】
▽堀抜用水堰(那須烏山市)=[1]堰改修一式[2]22~24年度[3]3億8500[4]堰改修工事[5]2800
【ため池等整備事業】
▽赤川ダム(宇都宮市)=[1]用排水施設一式[2]21~24年度[3]1億1600[4]用排水施設工事[5]5900
【用排水施設整備事業】
▼赤沢川(上三川町)=[1]排水樋門一式、水路工延長700m[2]24~27年度[3]7億1900[4]実施設計[5]6900
【防災重点農業用ため池緊急整備事業廃止工事】
▽高松赤坂溜(宇都宮市)=[1]1カ所[2]22~24年度[3]6000[4]廃止工事[5]4850
▽泰五郎溜(宇都宮市)=[1]1カ所[2]23~24年度[3]2000[4]廃止工事[5]1100
▽新溜(矢板市)=[1]1カ所[2]23~24年度[3]1400[4]廃止工事[5]1180
▽弁天溜(矢板市)=[1]1カ所[2]23~24年度[3]1600[4]廃止工事[5]850
▽那場内溜(那須烏山市)=[1]1カ所[2]23~24年度[3]1550[4]廃止工事[5]1250
▽飛倉溜(那須町)=[1]1カ所[2]23~24年度[3]1100[4]廃止工事[5]950
【防災重点農業用ため池緊急整備事業】
▽宇都宮市II(宇都宮市)=[1]3カ所[2]23~24年度[3]1910[4]実施計画策定[5]400(23年度国補正1300)
▽南高岡上池(真岡市)=[1]1カ所[2]23~25年度[3]5800[4]実施設計[5]400(23年度国補正600)
▽法堂寺上池(益子町)=[1]1カ所[2]23~26年度[3]8500[4]実施設計[5]410(23年度国補正700)
▽円道寺池(益子町)=[1]1カ所[2]23~26年度[3]9700[4]実施設計[5]410(23年度国補正700)
▽唐桶溜(芳賀町)=[1]1カ所[2]23~25年度[3]3900[4]実施設計[5]400(23年度国補正500)
▽益子町II(益子町)=[1]3カ所[2]23~24年度[3]1650[4]実施計画策定[5]487(23年度国補正1162)
▽笹山溜池(さくら市)=[1]1カ所[2]23~26年度[3]5000[4]実施設計[5]380(23年度国補正600)
▽向溜(さくら市)=[1]1カ所[2]23~26年度[3]1億8200[4]実施設計[5]410(23年度国補正700)
▽薮内溜(さくら市)=[1]1カ所[2]23~26年度[3]1億1500[4]実施設計[5]410(23年度国補正700)
▽那珂川町I(那珂川町)=[1]6カ所[2]23~24年度[3]3300[4]実施計画策定[5]700(23年度国補正2600)
▽熊久保望田水利組合ため池(那須塩原市)=[1]1カ所[2]23~26年度[3]6100[4]実施設計[5]300(23年度国補正400)
▽左内溜(那須町)=[1]1カ所[2]23~25年度[3]3900[4]実施設計[5]380(23年度国補正600)
▽足利市II(足利市)=[1]7カ所[2]23~24年度[3]4900[4]実施計画策定[5]1600(23年度国補正1300)
▽佐野市(佐野市)=[1]2カ所[2]23~24年度[3]2000[4]実施計画策定[5]500(23年度国補正1500)
▼石並池(益子町)=[1]2カ所[2]24年度[3]1050[4]実施計画策定[5]1050
▽坂善溜(市貝町)=[1]1カ所[2]23~25年度[3]3000[4]実施設計[5]1100
▼栃木市(栃木市)=[1]7カ所[2]24年度[3]3710[4]実施計画策定[5]3710
▽那珂川町II(那珂川町)=[1]7カ所[2]23~24年度[3]3850[4]実施計画策定[5]3146
▼足利市II(足利市)=[1]5カ所[2]24年度[3]3200[4]実施計画策定[5]3200
【震災対策等農業水利施設整備事業】
▽とちぎため池保全サポートセンター(県土連)=[2]24年度[3]220[4]サポートセンター運営[5]220

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