水道統合・広域化へ協定締結 25年4月に事業スタート(千葉県夷隅地域)

夷隅地域2市2町の首長が基本協定を締結した

夷隅地域2市2町の首長が基本協定を締結した

[2024/7/5 千葉版]
 千葉県夷隅地域水道事業の統合・広域化に関する基本協定締結式が4日、いすみ市内で開かれた。施設整備計画では10年間の事業費として62億2800万円を概算。国からの交付金を活用しながら、浄水場など水道施設の統合を進めていく方針だ。国土交通省による水道事業の経営認可に向けて準備作業を進め、2025年4月の事業開始を予定している。

 式典には夷隅地域2市2町の首長らが出席。経過報告を受けた後、各首長は協定内容を確認してから協定書に署名した。水道事業統合協議会の会長を務める太田洋いすみ市長は、県の支援のもと、夷隅地域が連携しながら、水道事業を統合・広域化し、次の世代に向けて、安定的な水道事業に取り組んでいく考えを示した。

 夷隅地域の勝浦、いすみ、大多喜、御宿2市2町では、県が15年9月に示した「県内水道の統合・広域化の進め方」に沿って、末端給水事業の統合・広域化に向けて検討を進めてきた。

 協議を円滑に進めるため、22年4月に2市2町の首長で構成する夷隅地域水道事業統合協議会を設置。本年6月17日の協議会での合意を経て、基本計画を策定した。

 将来の目標として「統合・広域化によって水道事業の運営基盤を強化し、将来にわたって安定的に水道サービスを提供する」ことを掲げた。計画期間は25年度から44年度までの20年間とする。

 事業主体は夷隅郡市広域市町村圏事務組合。新たに水道局を設置し、その内部に総務課や業務課、維持管理課を配置する。民間事業者へのアウトソーシングを活用し、組織のコンパクト化を目指す。

 施設整備計画では、34年度までの10年間の事業費として62億2800万円を概算。その内訳は広域化29億3200万円、運営基盤強化など29億1700万円、重要給水施設配水管2億9200万円、単独8700万円となっている。

 水道施設の統廃合では、いすみ市の山田浄水場と大野浄水場に14億3400万円、勝浦市の新官第1・第2配水池に8億0100万円、鵜原配水場に1億2800万円、大多喜町の横山浄水場と大多喜配水場に7000万円をそれぞれ配分している。

 施設整備計画ではこのほか、佐野川畑連絡管(勝浦市・大多喜町)の布設5億9100万円や佐野系送水管(勝浦市)の更新1億8900万円、遠方監視装置の整備1億5100万円、各種システムの統合3億5100万円などを盛り込んでいる。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.