サンアメニティらを特定 PFI/道の駅を整備運営(宮城県 白石市がプロポ)

[2024/7/3 宮城版]
 白石市は「仮称・道の駅しろいし整備事業」の優先交渉権者について、サンアメニティ(東京都北区)を代表とするグループを特定した。今後、見積もり合わせする。提案上限額は税込み59億9458万2000円。月内に基本協定、9月の事業契約の締結を目指す。道の駅と防災公園(スポーツ・レクリエーション施設)について、BTO方式により設計・施工・工事監理・維持管理・運営を一括で委託する。2027年7月の開業が目標だ。

 グループの構成は▽サンアメニティ▽鴻池組▽阿部和工務店▽東亜道路工業東北支社▽乃村工藝社▽ナショナルトラスト▽ミュゼグラム▽お茶の井ケ田▽Food Innovators Japan▽ハミングバード・インターナショナル――の10社。公共施設の総合運営管理などを手掛けるサンアメニティが代表を務め、鴻池組と阿部和工務店、東亜道路工業が施工、乃村工藝社が設計、その他の企業が維持管理や運営などを担当する見通し。

 なお、協力企業としてNPO法人みやぎ・せんだい子どもの丘、白石興産、ナスカ、建設技術研究所東北支社の4者も参画する。

 事業者の選定に当たっては、プロポーザルの手続きを昨年12月に開始。4者から参加申請を受け付け、このうち3者が提案書を提出した。6月19日にプレゼンテーションを開催し、7月2日に同グループを特定した。なお、次点は大和リース仙台支社グループだった。

 サンアメニティグループの提案に関する審査講評では、市が重視する食・農・体験・交流・地域活性などのテーマに対し、「育む」というオリジナルの的確なコンセプトをもとに具体的取り組みが提起されている点、道の駅と防災公園の一体感のある整備・運営への配慮などが評価された。また構成企業の高い専門性といった実施体制も高評価を受けた。

 設計・建設における提案では、八角形が特徴的な道の駅を中心に大屋根広場、中庭、広場など多様な使い方ができる空間を確保されており、にぎわいの創出や利用者の利便性確保の観点から評価を得た。日常から災害時への円滑な転換ができるフェーズフリーの地域防災拠点づくりを目指す提案も行っている。

 道の駅・防災公園は、大平中目地区の白石中央スマートインターチェンジ(仮称)の隣接地に整備する。事業コンセプトは「しろいしの魅力発信・地域と文化の交流による新たな価値を創造する地域防災拠点」。敷地面積は道の駅が約3・3㏊、防災公園が約8・88㏊で、市が造成したのち事業者に引き渡す。造成工事は道の駅を亀岡建設、防災公園を陸上自衛隊が担当している。

 道の駅の建物は子育て支援施設、トイレ、飲食・物品・販売施設などを備えた延べ2820㎡規模を想定。平時にスポーツ・レクリエーション施設となる防災公園には、防災ヘリポートや全天候型ドーム、ニュースポーツ施設、広場などを配置する。

 今後、同グループと7~8月にかけて基本協定や仮契約を結び、市議会9月定例会に本契約締結議案の提出を目指す。議決後、事業者は設計に入り、27年3月の施設竣工を想定する。準備期間を経て同年7月の開業が目標だ。事業期間は開業から42年6月までの15年間となる。

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