江戸川水閘門の改築を公告 ECI方式で工事は最大73億円(関東整備局)

[2024/6/28 千葉版]
 関東地方整備局は28日、江戸川水閘門改築(I期)工事と技術協力業務について、公募型プロポーザルの手続きを開始する。関東地方整備局管内の河川事業では初めてECI方式を導入する方針だ。工事は政府調達協定(WTO)対象となり、最大73億円規模を想定している。

 I期工事では水閘門の新設などを進めていく。水門と閘門の径間はそれぞれ17mを想定している。鋼管矢板で仮締め切りする必要があるが、施工ヤードが軟弱地盤となっており、仮設構造が複雑になることが想定されている。

 これらの厳しい現場条件を踏まえながら詳細設計を進めていくためには、施工者の高度な技術力を活用した施工計画の検討や工法の選定が必要となるため、ECI(アーリー・コントラクト・インボルブメント)方式を導入する方針だ。

 この方式では、プロポーザルで選定した優先交渉権者と技術協力業務の契約を締結。基本協定に基づき、価格などの交渉を実施し、交渉が成立した場合に工事の随意契約相手として特定する。

 技術協力業務の規模は1000万円、工事の規模は67~73億円をそれぞれ想定している。工期は技術協力業務が12月まで、工事が2029年2月までとする。

 プロポの参加資格として、関東地方整備局の一般土木工事に関する一般競争参加資格の認定を受けていることや、一般土木工事の経営事項評価点数が1200点以上であることのほか、施工実績などを求めている。7月29日まで申請書を受け付ける。

 江戸川水閘門は市川市と東京都江戸川区の境にあり、江戸川放水路分派後の旧江戸川上流端に位置する。竣工してから約80年が経過し、施設全体の老朽化が進み、ゲート操作に支障となる不具合が多発している。

 洪水時にゲート操作ができなくなった場合、せき上げにより上流の水位が上昇し、堤防決壊による氾濫の危険性が高まるため、全面的な改築を進めていく。

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