前川で堤防改修工 主要事業 荒井行方線の整備を推進(県潮来土木)

[2020/6/26 茨城版]
 県潮来土木事務所所(朝日光昭所長)はこのほど、本年度の主要事業をまとめた。道路事業では、荒井行方線や潮来佐原線、深芝浜波崎線の整備事業を推進していく。また、「前川かわまちづくり計画」に基づいた前川の整備事業のほか、砂浜の回復などを目的とした鹿嶋・波崎海岸侵食対策事業、急傾斜地崩壊対策事業で武井地区の整備にも取り組む。

 道路事業のうち、荒井行方線では本年度に道路改良舗装工事を行う。同線は鹿嶋市荒井の国道51号から北浦大橋を渡り、行方市麻生に至る鹿行地区の太平洋側と霞ヶ浦側を東西に結ぶ道路。交通の円滑化や緊急輸送道路ネットワーク機能の向上を図るため、狭あい箇所である国道51号との交差点付近で現道拡幅を進めている。全体計画は、延長1400m(このうち1060mは供用済み)、幅員10/6m、片側歩道2.5m。総事業費は約35億円と試算している。

 潮来佐原線では本年度に道路改良舗装工事を行う。同線は、潮来市洲崎の国道51号から潮来市街地を経て香取市に至る道路。JR潮来駅やあやめ園から潮来ICのアクセス強化を図るため、4車線化を進めている。全体計画は、延長2100m(このうち1180mは供用済み)、幅員22/13m、両側歩道2.5m。総事業費は約18億円に設定した。

 深芝浜波崎線では、本年度に用地補償を進める。同線は神栖市内を南北に縦断する道路。通学児童の安全確保や緊急輸送道路ネットワーク機能の確保を図るため、現道拡幅を進めている。

 昨年度までに約2760m区間の整備を完了し、現在は、植松交差点から波崎高校入り口交差点までの区間の整備を進めている。当該区間の全体計画は、延長800m、幅員14/6.5m、両側歩道3m。総事業費は約4億円となる。

 河川整備のうち、前川では、本年度に堤防改修工(左岸改修)約120mを実施する。前川は、水郷筑波国定公園区域に位置し、潮来市中心部を流れ、河岸にはあやめ園、同河川に架かる十二の橋を巡る観光遊覧船が運航されるなど、「水郷潮来」の観光拠点になっている。現在は、潮来市と共同で策定した「前川かわまちづくり計画」に基づき、環境に配慮した流下能力不足区間の河道掘削を進めている。全体計画は、延長3120mで、総事業費を約25億円と試算している。

 鹿嶋・波崎海岸では粗粒材養浜工約4500立方mを実施する。鹿嶋・波崎海岸は、河川からの供給土砂が減少したことなどを受けて、砂浜の侵食と堆積区域が偏在するようになった。このため、ヘッドランド(人工岬)と養浜を組み合わせた侵食対策事業を実施している。全体計画は、ヘッドランド11基と養浜工一式となる。総事業費には約125億円を投じる。

 急傾斜地崩壊対策事業の武井地区では、本年度に延長約20mにおいて、法面工を実施していく。同地区では、茨城鹿島線と鹿嶋市道1143号線に囲まれた13戸の保全対象家屋が存在する区域において、15年度から事業を進めている。全体計画は、延長329m、がけ高約20m。総事業費は約9億円と試算している。

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