22地区に事業費20億円 水利施設整備 生井地区など新たに着手(県農地整備課)
[2024/6/25 栃木版]
県農地整備課は、2024年度の水利施設整備事業の実施箇所をまとめた。基幹水利施設ストックマネジメント事業、地域水利施設ストックマネジメント事業、水利施設整備農地集積促進型、および農業水利施設保全合理化事業をあわせ、全22地区に5億5972万円を割り当てる。このほか、23年度の国補正で14億5520万円が配分されており、合計20億1492万円で事業を実施する。このうち新規は、基幹水利施設ストックマネジメント事業の佐野用水地区や水利施設整備農地集積促進型の生井地区など。継続事業では、三栗谷II地区で用水路の改修を、部屋南部地区では排水機場工事を引き続き実施する。
新規の生井地区(小山市、野木町)は国営栃木南部土地改良事業の関連事業として、与良川統合排水機場に接続する東部幹線水路が大雨時に湛水することから、これを解消するため改修する。あわせて、排水路の維持管理の効率化を図るため、幅員3.0mの管理用道路を設置する。
幹線排水路は延長3147mで、主要構造はブロック積延長741.5m、L型水路延長876.0m、U型柵渠延長1396.8m。事業期間は24年度から29年度までの6カ年で、本年度は実施設計を策定し、工事は25年度から29年度にかけて実施する。総事業費は14億7000万円を見込み、本年度は7500万円が内示された。
佐野用水地区(佐野市)は、県営かんがい排水事業により1973年から91年に築造された佐野用水機場の中央操作室と分水場の電気通信設備機器の一部が経年劣化で故障しており、早急に対策を講じる必要があるため基幹水利施設ストックマネジメント事業で設備を更新する。事業期間は2025年度までの2カ年で、全体事業費は2億4000万円を想定。本年度は電気設備更新の実施設計を策定するため、7000万円が割り当てられた。
継続事業では、三栗谷II地区(足利市)で水利施設等保全高度化事業を引き続き進める。対象の三栗谷用水は、足利市南部に位置する平坦な水田地帯をかんがいする幹線用水路で、造成後50年以上が経過してコンクリートの劣化による倒壊・崩落の危険があるため全面改修している。
用水路の延長は4063mで、事業期間は17年度から26年度までの10カ年、全体事業費は11億1485万円。本年度は当初の1620万円と23年度国補正の1億4380万円をあわせ、1億6000万円で用水路工事を継続して実施する。なお同地区の下流側は、12年度から15年度にかけて、三栗谷地区として延長1138mを改修した。
部屋南部地区(栃木市)は、老朽化し排水機能が低下している石川排水機場を改修している。この機場は1948年に造成され、53年にポンプを増設し、72年に現在の位置へ移設された。ポンプは60年以上、排水樋管や建屋も供用開始から40年以上が経過している。
現在の機場の隣接地に新設する機場は、排水ポンプが口径600mmを2台、排水樋管が幅2.1m、高さ2.5mを2連それぞれ備える。事業期間は2018年度から26年度までの9カ年で、全体事業費は29億2730万円。本年度は、当初の8580万円に23年度補正の6億4800万円をあわせた7億3380万円で、排水機場工事を継続する。
このほか地域水利施設ストックマネジメント事業では、鹿沼市の鹿沼(2)地区、鹿沼市土地改良区の鹿沼(3)地区、壬生町の壬生町地区で、機能保全計画をいずれも単年度で策定する。
本年度の水利施設整備事業の実施地区は次の通り。(▽地区名・関係市町=[1]全体事業量[2]工期[3]全体事業費[4]24年度実施内容[5]当初割当、単位・万円)
【基幹水利施設ストックマネジメント事業】
▽三栗谷II(足利市)=[1]水路工、L4063m[2]17~26年度[3]11億1485[4]用水路工事[5]1620(23年度国補正1億4380)
▽那須野原〔深山ダム〕(那須塩原市、大田原市)=[1]電気通信工事一式[2]22~26年度[3]5億6220[4]管理棟更新[5]9121
▼東岡本統合堰(宇都宮市)=[1]堰改修一式[2]24~25年度[3]2000[4]堰改修実施設計[5]800
▼佐野用水(佐野市)=[1]電気通信工事一式[2]24~25年度[3]2億4000[4]電気設備更新実施設計[5]7000
▼九郷半用水(宇都宮市)=[1]計画策定一式[2]24~25年度[3]1350[4]機能保全計画策定[5]500
▽下都賀(下野市)=[1]計画策定一式[2]23~24年度[3]4200[4]機能保全計画策定[5]190
▽大岩藤(栃木市)=[1]計画策定一式[2]23~24年度[3]5300[4]機能保全計画策定[5]265
▼瀬戸ヶ原堰(栃木市)=[1]計画策定一式[2]24年度[3]600[4]機能保全計画策定[5]600
▼喜沢揚水機場(小山市)=[1]計画策定一式[2]24年度[3]600[4]機能保全計画策定[5]600
▼草川用水(さくら市)=[1]計画策定一式[2]24年度[3]2000[4]機能保全計画策定[5]2000
▼小白井用水2(那須烏山市)=[1]計画策定一式[2]24年度[3]700[4]機能保全計画策定[5]700
▼西の原用水(那須烏山市)=[1]計画策定一式[2]24年度[3]1400[4]機能保全計画策定[5]140
【地域水利施設ストックマネジメント事業】
▼鹿沼(2)(鹿沼市)=[1]計画策定一式[2]24年度[3]1850[4]機能保全計画策定[5]1850
▼鹿沼(3)(鹿沼市)=[1]計画策定一式[2]24年度[3]680[4]機能保全計画策定[5]680
▼壬生町(壬生町)=[1]計画策定一式[2]24年度[3]1600[4]機能保全計画策定[5]1600
【水利施設整備農地集積促進型】
▽部屋南部(栃木市)=[1]機場工一式[2]18~26年度[3]29億2730[4]排水機場工事[5]8580(23年度国補正6億4800)
▽亀の子堰(小山市、栃木市)=[1]堰改修一式[2]23~26年度[3]4億8000[4]堰改修[5]1760(23年度国補正9240)
▼生井(小山市、野木町)=[1]水路工、L3147m[2]24~29年度[3]14億7000[4]実施設計[5]7500
▽船生(塩谷町)=[1]水路工、L7566m[2]19~29年度[3]31億5810[4]用水路工事[5]3440(23年度国補正3億1560)
▽市の堀用水(さくら市他5市町)=[1]水路工、L6424m[2]23~29年度[3]29億2830[4]用水路工事[5]4460(23年度国補正2億5540)
【農業水利施設保全合理化事業】
▽下田原(宇都宮市)=[1]堰改修一式[2]23~24年度[3]1417[4]堰改修[5]1297
▽邑楽東部第1(栃木市)=[2]23~24年度[3]1060[4]排水機場システム更新(群馬県に負担金)[5]9