斎場の整備手法検討 実施計画 南消防署を移転改築(宇都宮市)

[2024/6/21 栃木版]

 宇都宮市は、計画期間を2024年度から26年度とする総合計画実施計画をまとめた。それによると、道路・公園・学校施設の整備などを進めるほか、北西部地域体育施設の整備、総合治水・雨水対策推進事業、斎場の次期整備手法の検討、南消防署の移転・改築、新産業団地整備に向けた基本計画策定、太陽光発電等の再エネ設備の導入、下河原水再生センターの再構築、新ごみ焼却施設の整備検討、川田水再生センターの機能増設、今市浄水場の施設更新、八幡山公園の民活整備、LRTのJR宇都宮駅横断部の基本設計に取り組む。 =6面に実施計画の建設関連事業一覧

八幡山公園は民活整備へ

 全ての子どもが安心して健やかに成長できる社会の実現では、児童相談所の設置に向けた取り組みの推進へ2100万円を計上した。児童相談所の設置に係る基本方針案によると、一時保護所の機能も盛り込み、他機能との複合化も検討する。現在、基本計画策定に向けた基礎調査業務を委託する業者をプロポーザル方式で24日まで募集している。

 誰もが夢や希望を持ち必要な教育を享受できる社会の実現では、学校施設整備事業に115億0700万円を計上し、校舎や体育館の長寿命化改修やトイレ改修、校舎造設、給食施設改修を実施する。24年度は横川中央小学校体育館建設事業、今泉小学校体育館の改築設計、上河内中学校校舎と城東小学校体育館の長寿命化改修工事、西原小学校校舎と晃陽中学校校舎の長寿命化改修設計、12校の体育館トイレの洋式化などに着手する。

 誰もが生涯を通じてスポーツを楽しむ社会の実現では、スポーツ施設整備事業に69億1800万円を計上し、北西部地域体育施設の整備やスポーツ施設空調設置などを行う。24年度は▽北西部地域体育施設の整備事業者選定▽河内体育館の空調設置設備設置等工事▽スケートセンターの空調設置等工事▽宮原運動公園の東側駐車場等整備工事▽河内総合運動公園多目的運動広場夜間照明整備工事▽屋内プール整備への調査業務▽清原球場の大規模改修に向けた調査・検討業務-などを予定している。

 誰もが安全・安心に日常生活を送ることができる社会の実現では、大規模盛土造成地滑動崩落防止事業や宅地造成等規制法改正による盛土等の規制強化をはじめ、総合治水・雨水対策推進事業、消防団詰所耐震化事業などを実施する。

 通信指令システム更新整備事業には23億9400万円を計上し、システム整備の基本設計・実施設計・工事のほか、システム整備に伴う庁舎改修の実施設計や工事にも着手する。

 斎場の運営には5200万円を計上し、24・25年度に悠久の丘PFI事業に係る事後評価および次期事業手法の検討業務を委託して、望ましい事業方式や事業期間を検討する。安全安心な都市公園づくりでは、八幡山公園急傾斜地の崩壊防止施設整備や危険性の高い樹木伐採で4億6100万円を計上している。

 総合治水・雨水対策推進事業では、道路排水施設の整備に2億9200万円、河川整備に67億6000万円、中丸川・奈坪川・鬼怒川など重点6排水区での雨水幹線の整備に41億3000万円、公共施設等での貯留浸透施設の整備や総合治水雨水対策推進計画の中間見直しに6億6900万円、下河原水再生センターの合流改善スクリーンの更新に9700万円を配分した。

 消防団詰所改築事業には9億4300万円を計上し、24年度は9カ所の改築を予定している。消防施設整備事業は南消防署の移転・改築に着手するため、5億2200万円を計上した。改定した整備基本計画によると、新施設は上御田町地内とし、市初のドローン訓練場を整備する。24年度に基本設計、25年度に実施設計を策定するほか、25年度から用地取得に着手し、26・27年度に造成工事、27・28年度に建設工事を行って、28年度の供用開始を目指す。

 地域資源を守り、活用した賑わいと活力ある社会の実現では、ろまんちっく再整備事業に2500万円を計上した。施設老朽化に対応するほか、市北西部の観光の拠点となるよう施設の再整備に着手する。現在、再整備基本構想の策定業務を委託する業者を、公募型プロポーザル方式で選定を進めている。

 バスケットボールチームの宇都宮ブレックスの新アリーナ整備への支援では、駅東公園を候補地として検討や協議を進める。文化会館は維持管理のための設備改修で、10億9100万円を計上。大谷公園や大谷景観公園の再整備には、5億5100万円を計上した。

 各種産業の強みを生かした持続的に発展する社会の実現では、中央卸売市場の保全事業に7300万円を計上した。予防保全に加え、社会変化に柔軟に対応できる拡張性のある施設となるよう、市場施設・設備の劣化診断調査、市場機能を向上させる施設整備や脱炭素・市場内DX等を検討していく。再整備事業には6億2600万円を計上し、電灯LED化などの再整備工事を進めるほか、賑わいエリアの整備業務を委託する。大和リース(大阪市中央区)と基本協定を締結し、今後は定期借地権契約を結び、7月から着工して26年3月のオープンを目指す。

 産業団地の着実な整備の促進には2億8300万円を計上し、(仮称)インターパーク東地区と(仮称)宇都宮工業団地東地区の2カ所を候補地に、新たな産業団地の整備に向けて24年度は基本計画を策定する。圃場、農道、かんがい排水の整備を行う土地改良事業には、5億2600万円を計上している。

 脱炭素で循環型、自然共生者期の実現では、市有施設へのLED照明導入や再エネ設備導入などに33億2900万円を計上した。脱炭素先行地域の取り組みの推進は27億4800万円を計上し、LRT沿線の公共・民間施設等への太陽光発電・蓄電池・再エネ設備の導入、公有地へのオフサイト太陽光発電の導入、調整池等へ太陽光発電の導入などを行う。

 上下水道事業の脱炭素化は、局庁舎の設備機器更新、施設のLED化、小水力発電・太陽光発電・消化ガス発電の導入で、6億2400万円を計上している。

 効率的・効果的なごみ処理体制の構築には、2億6000万円を計上し、クリーンパーク茂原の再整備や最終処分場整備に向けた建設候補地抽出などを行う。一般廃棄物処理施設整備基本構想によると、新ごみ焼却施設は稼働開始の目標年度を2033年度とし、29年度にも着工する。

 魅力的で持続可能な都市空間の形成では、都心部まちづくりでの拠点エリア等での拠点形成・滞在機能強化に向けた検討に1000万円を計上した。東武馬車道通りは、人中心の空間づくりに向けた取組方針を取りまとめ、桜通り十文字周辺は交通結節機能やまちの機能のあり方、街路空間等は滞在機能の強化へ検討を行う。民間開発促進では、基礎調査や市街地開発事業・優良建築物等整備事業への支援で48億0800万円が計上した。

 小幡・清住地区、宇都宮大学東南部第2地区、鶴田第2地区、岡本駅西地区、簗瀬地区の土地区画整理事業には、143億5100万円を計上する。宇都宮東部土地区画整理事業は、未着手地区の整備手法の検討や事業化の取り組みへ400万円を計上した。

 下河原水再生センターは、川田水再生センターとの部分機能統合を図るため、再構築事業に69億1600万円を計上した。送水ポンプ施設の整備や、川田水再生センターで汚泥処理施設の増設などを行う。川田水再生センターでは、管理棟や沈砂池ポンプ棟等の建て替え、汚水処理施設の耐震補強を行う強靭化事業に7億8000万円を計上。今市浄水場は、繊維ろ過設備の設置やろ過池等の更新で40億3600万円を計上した。

 JR宇都宮駅西口周辺地区には、27億7500万円を計上し、基本計画を策定して整備を進めていく。八幡山公園は民間活力を活用して魅力向上とにぎわい創出を図るため、2000万円を計上した。Park-PFIで施設を整備するため、24年度は事業者を公募し、25年度から設計・施工に着手する。

 誰もが快適に移動できる総合的な交通ネットワークの実現では、幹線道路整備事業に54億2000万円、通学路等新設改良事業に21億8500万円、スマートIC整備事業に9億5800万円を計上している。道路ネットワーク形成の調査・検討には、3900万円を計上した。

 LRT(ライトライン)は、JR宇都宮駅西側の整備を進め、駅横断部の基本設計などに32億8800万円を計上した。

 持続可能な公共的サービスの提供体制の確立では、公共施設のマネジメントで公共施設等総合管理計画改定に向けた調査などで7000万円を計上している。市役所本庁舎はスマートワークのためのオフィス環境整備を行うため、14億6800万円を計上している。

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