施設規模は約3万6000平方m 「文化と知」の創造拠点検討委 施設整備など協議(県総合政策課)
[2024/6/18 栃木版]
県総合政策課は17日、県庁内の会議室で第5回「文化と知」の創造拠点整備構想策定検討委員会(委員長:須加英之宇都宮共和大学・宇都宮短期大学学長)を開催した。今回は、「文化と知」の創造拠点の施設整備や管理・運営、整備事業の進め方について協議して、委員が意見を出し合った。このうち施設整備計画では、3つの施設それぞれの固有部分と共有部分をあわせ、全体で約3万6000平方mの規模を想定。整備事業の進め方は、直営や指定管理、PFIなどの手法を検討していく。
第4回の委員会では、施設整備のうち敷地に関して「駐車場を地下に整備し、地上部分は講演のような憩いの場として使えるとよい」など、施設に関して「一部を供用する形での合築が望ましい」や「県産木材や大谷石等の県産品を使用し、県の魅力を伝えられる建物としてほしい」、「3施設とも将来を見据えた適切な収蔵環境・収蔵スペースを確保することが重要」などの意見が出ていた。
そこでこれらの意見を踏まえ、敷地については利用者の憩いの場となる広い緑地空間の創出や、県民が気軽に利用でき憩いの場となる外構空間の確保を図ることとした。またアクセスについても、大型トラックでの搬入を考慮した敷地への進入位置の検討をはじめ、十分な駐車・駐輪台数および大型バス駐車スペースの確保や、EV充電設備の整備の検討などに取り組む。
施設は、基本的な性能に耐火・耐震性能や災害に対する安全性の確保、雨水流出の抑制、ZEB化によるカーボンニュートラルへの貢献、木造・木質化など県産木材の活用、長寿命化によるライフサイクルコストの低減などを盛り込んだ。
施設の想定面積は、美術館のコア部分が収集・保存2500~3500平方m、展示・公開3000~4000平方mなど計約1万1500平方mとし、図書館のコア部分が収集・保存5000~7000平方m、提供・調査・相談(展示・公開)4500~6500平方mなど計約1万4000平方m、文書館のコア部分が収集・保存1500~2500平方m、展示・公開200~300平方mなど計約2500平方mを目安とする。
このほか、共用部分としてアメニティ1000~2000平方m、その他4000~6000平方mなど計約8000平方mを加え、施設全体で約3万6000平方mと想定。各館のコア機能を充実させるとともに、可能な範囲で施設を共用することにより、合理的な面積で整備を行う。
管理・運営は、3施設の機能強化や新たな機能の実現などを見据えた適正な管理・運営体制を確保するため、各施設のコア業務を行う部門のほか全体の企画運営を行う部門を設置し、そこで拠点運営の統括・連携企画の立案・運営や、広報、全体の調整、総務事務などを実施する。
整備事業の進め方では▽従来型(直営)▽指定管理▽PFI(BTO)▽コンセッション-の4つの手法を例に挙げ、それぞれの特徴やメリット・デメリットを事務局から説明した。なお現在、PwCアドバイザリー合同会社(東京都千代田区、吉田あかね代表執行役)に委託して2025年2月28日までの期間で「文化と知」の創造拠点PFI等導入可能性調査業務を実施しており、この調査結果も踏まえて事業手法を検討していく。
検討委員会はこの後、9月に開催する第6回委員会で整備構想案を取りまとめ、パブリックコメントを経て11月末ごろに構想を策定する予定。構想がまとまったあとは、引き続き6~7年程度の期間で設計および建設工事を実施する見通しとなっている。