公会堂の規模は5680平方m 第5回基本構想委員会を開催(古河市)
[2024/6/15 茨城版]
古河市は市役所総和庁舎特別会議室で、第5回(仮称)市新公会堂基本構想・基本計画市民委員会(委員長・小林真理東京大学院教授)を開催した。今回の会合では、建設候補地に関する経過報告のあと、施設機能の詳細検討・施設規模の検討、基本構想・基本計画における管理運営計画の位置付けなどについて話し合い、大ホールは1300席程度、建物は約5680平方mの規模を想定した。第6回委員会では先進地視察を行う予定。基本構想・基本計画は24年度末までにまとめ、建設工事は28年度に着手し、新公会堂は30年度ごろに開館する見通しだ。
建設候補地は当初、昨年度中に1カ所に絞り込む予定だったが、大堤地内の未来産業用地開発事業に関する地域未来投資促進法についての理解を深めていたほか、NTTデータセンター跡地なども候補地としての可能性を探っていた。このため、第3回会合で「古河駅周辺から古河駅東部周辺エリア」に位置する旧古河体育館跡地と大堤地内の2カ所を選定していたものの、候補地の絞り込みは先送りし、施設の機能やコンセプトなどを具体化してから選定することになった。
旧古河体育館跡地は十間通り沿いの旭町2丁目の市有地で、敷地面積は約1ha。JR宇都宮線古河駅からは約1.7kmに位置する。古河体育館は施設の老朽化に伴い21年9月に閉鎖されたが、既存建物は残っている状況だ。大堤地内は民有地で、敷地面積は約17ha。古河駅からは約1kmの位置。予定地は主に農地で、未来産業用地開発事業が予定されている。
施設機能は、大ホール部門(約4060平方m)と創造支援部門(約890平方m)、共用部門(約610平方m)の3つを柱とし、延べ面積の合計は約5680平方mを想定。ワークショップで得た意見を参考に機能を絞り込んだ。
大ホール部門は、約1300席程度の音楽ホールで、2層バルコニー形式を想定。小人数での利用も可能なように幕の設置などの設備を設ける。舞台は18m×18mまたは18m×15m、高さは10-12mとする。ロールバックチェアを設置して、パーティー利用などを可能とし、近隣のホールとの差別化を図る。
創造支援部門は、300人規模の小ホールのほか、日常利用しやすい小規模な部屋や展示スペースを設ける。小ホールはリハーサル室機能を備え音響面を重視したものとする。また、高機能スタジオ4カ所程度を設置していく。
共用部門は、エントランスやロビー、カフェ、託児機能付きのキッズルーム、防災機能などを配置して、用事が無くても、いつでも立ち寄れる空間形成を図る。
事業方針案は、[1]上質な文化芸術鑑賞機会の提供[2]市民が行う文化芸術活動の推進[3]文化芸術活動を通じた市民の交流促進[4]古河市の魅力を再発見する取組み[5]多様な文化芸術活動を知り、体験する機会の拡大──の5項目を提案した。
管理運営組織については今後検討するスキームを踏まえながら、「直営」や「指定管理による運営」などの手法を比較検討する考えだ。
基本構想・基本計画策定支援業務は、シアターワークショップ(東京都渋谷区)・日本工営都市空間(東京都千代田区)JVが担当している。中間報告書は24年9月、民間活力導入可能性調査報告書と基本構想・基本計画は25年2月までにまとめる予定だ。
新公会堂は、市民の文化芸術活動と交流の拠点機能をメインとしながらも、県西地域の中心的都市の運営に欠かせないコンベンション機能などを備えた施設とする。さらに、市のランドマークになるような施設で市民が誇りと愛着を持ち、市外の人も訪れたくなる文化芸術の拠点施設を目指す。また、災害時の拠点として、市民の安心と安全を確保する施設とする方針だ。
今後は、24年度末までに基本構想と基本計画をまとめ、26-27年度には基本・実施設計を策定する。28-30年度には建設工事を実施し、30年度中の開館を見込んでいる。