TX延伸で支援を 東関道・圏央道の整備求める(県の中央要望)
[2024/6/14 茨城版]
県は本年度の「国の施策および予算に関する提案・要望」(中央要望)をとりまとめた。3日には都内で本県選出の国会議員に対して内容を説明するとともに、意見交換を実施。その後、大井川和彦知事は関係省庁を訪れ、斉藤鉄夫国土交通大臣らに要望書を手渡した。今回の要望では、「活力があり、県民が日本一幸せな県」の実現に向けた施策53項目を盛り込んだ。このうち、8項目を重点項目に位置付けた。建設業関係では、広域道路ネットワークの強化・充実として、東関道水戸線の開通や圏央道の4車線化、スマートICの促進、茨城港常陸那珂港区の整備推進、TXの県内延伸に対する支援などを盛り込んだ。
この要望活動は国の施策および来年度予算編成にあたり、予算措置や政策・制度の創設・改正などについて、県の要望を盛り込むために実施するもの。毎年、概算要求前の6月に関係省庁へ要望活動を行っている。
中央省庁への要望に先立ち、3日には本県選出の国会議員に対し、大井川知事らが提案・要望の内容を説明。議員からの意見を求めるとともに、実現に向けて支援と協力を求めた。
関係省庁への要望では、国土交通省の斉藤大臣をはじめ、経済産業省の上月良祐副大臣、農林水産省の武村展英副大臣、厚生労働省の濵地雅一副大臣のもとを訪れ、それぞれ要望書を手渡した。このうち、国土交通省に対しては、広域交通ネットワークの強化・充実や、本県の臨海部におけるカーボンニュートラルの推進などの要望を行った。
今回の要望内容をみると、項目数53項目となった。重点項目には、▽経済の好循環実現に向けた最低賃金の引き上げ▽農林水産物などの輸入規制などに係るアジア諸国などとの協議推進▽電源地域の振興▽本県の臨海部におけるカーボンニュートラルの推進▽医師の確保および偏在対策の強化ならびに災害派遣人材の育成▽民間獣医師の活用などに向けたと畜検査制度の見直し▽介護分野における外国人材の受入促進(介護福祉士国家試験における外国人受験者への配慮)▽広域交通ネットワークの強化・充実──を盛り込んだ。
建設業関連の要望をみると、広域交通ネットワークでは、「広域道路ネットワークの強化・充実」、「我が国の国際競争力を牽引する港湾の整備」、「地方への人の流れを加速する都市鉄道ネットワーク強化」の3項目を盛り込んだ。
広域道路では、東関道水戸線と圏央道、直轄国道の整備を要望。このうち、東関道水戸線では、25-26年度の全線開通を求めた。あわせて、(仮称)行方PAの整備や、潮来IC周辺と鹿島臨海工業地帯の中核となる鹿島港を結ぶ高速道路計画の早期具体化も求めた。
圏央道の4車線化については、26年度までの全線開通に向けた整備を要望。また、坂東PAの外回り側の4車線化、県が進めるICアクセス道路の予算確保を求めた。
直轄国道の整備では、(仮称)国道6号小美玉道路や(仮称)桜川道路など、未事業化区間の早期事業化や、新国道4号の主要交差点の立体化、全線6車線化を盛り込んだ。あわせて、県内で整備を進めているスマートICの推進や、土浦スマートICと守谷SAスマートICの新規事業化を要望した。
港湾の整備では、茨城港常陸那珂港区と鹿島港の整備促進、カーボンニュートラルポートの形成に向けた支援などを盛り込んだ。
このうち、茨城港常陸那珂港区では、地域の基幹産業の競争力強化を図るため、中央ふ頭地区水深12m岸壁(2バース目)と、水深14m岸壁の早期整備を要望。あわせて、荷役の効率化と船舶の安全な航行に向けて防波堤の早期整備を求めた。鹿島港では、鹿島臨海工業地帯の競争力強化を図るため、防波堤の早期整備を要望している。
カーボンニュートラルポート形成に向けた支援としては、倉庫などへの再生可能エネルギー導入に付随する施設改良などを求めた。
都市鉄道ネットワークの強化では、TXの東京延伸と県内延伸などを要望。このうち、県内延伸については、交通ネットワークの更なる充実やリダンダンシー確保に繋がると説明し、特段の支援を求めた。