県営で3地区に着手 農業農村計画調査 国庫と県単あわせ18地区(栃木県農地整備課)
[2024/6/13 栃木版]
県農地整備課は、2024年度に実施する農業農村整備事業計画調査地区をまとめた。換地等調整事業を除き、国庫・県単を含め18地区(うち県営が16地区、団体営が2地区)で調査を実施する。県営で新規に調査費を配分したのは、国庫が幕田西部(宇都宮市)、県単が幕田堰(下野市)と二国堰(結城市、小山市)の計3地区。計画樹立は、同課によると現時点では不明としている。
この事業は、競争力のある生産性の高い基盤づくりや農業水利施設の長寿命化対策、防災減災対策などを計画的に推進するため、農業農村整備事業の計画書作成に向けた調査計画を実施するもの。国庫を充当するのは9地区で、当初割当の合計は1億8930万円。また県単の計画調査費は、9地区に3840万円を計上している。
農地整備は、国庫で上郷1(上三川町)や轟(日光市)など7地区と、県単で荊沢(日光市)や茂木(茂木町)など5地区で調査を実施。水利施設整備は県単で穴川用水(真岡市)や穂積(小山市)など3地区、防災減災は新規の二国堰1カ所となっている。団体営は、いずれも新規の本郷堰(那須烏山市)と三川又(那珂川町)で防災減災の調査を実施する。
農地整備の上郷1地区は上三川町の北東部に位置し、受益面積は33haで計画。エリア中心を走る県道以外の道路は幅員が狭く大型機械の往来やすれ違いが困難となっているほか、水路の老朽化が進んでおり再整備が必要となっている。
轟地区は日光市の東部に位置し、一級河川大谷川の左岸にある水田地帯で、受益予定面積は約54haを計画する。地区の中央には国道461号が横断し、県道大桑大沢線が縦断する。地区内には二宮堀と呼ばれる用水路が多数存在するが、区画や農道、水路が未整備となっている。
また、小野口地区(栃木市)は用水の確保が困難となっており、安塚・上長田地区(壬生町)は道路・水路・ほ場が未整備なほか、一級河川姿川からの取水堰が老朽化し、用水量が安定しない課題がある。下川井地区(那須烏山市)は、区画が昭和30年代に整備した10a前後の小区画で道路が狭小であるとともに、水路や用排兼用で土水路のため水管理が大変で、ほ場の排水性も悪いといった課題がある。
新規地区のうち、県単の幕田堰(下野市)は堰の改修を行うことから、それに伴う水利用調査を実施する。二国堰(結城市、小山市)も、農村地域の防災減災対策で堰の改修に向けた調査を実施する。
調査地区の概要と予算配分額は次の通り。(▽地区名(関係市町)=[1]全体事業量[2]予定工期[3]実施内容[4]当初割当額、▼は新規、単位・万円)
【国庫】
〈農地整備〉
▽上郷1(上三川町)=[1]調査計画一式[2]22~25年度[3]計画設計[4]2030
▼幕田西部(宇都宮市)=[1]調査計画一式[2]23~26年度[3]計画設計[4]750
▽轟(日光市)=[1]調査計画一式[2]23~25年度[3]計画設計[4]4000
▽玉田(鹿沼市)=[1]調査計画一式[2]21~25年度[3]計画設計[4]3000
▽小野口(栃木市)=[1]調査計画一式[2]22~26年度[3]計画設計[4]1000
▽安塚・上長田(壬生町)=[1]調査計画一式[2]23~25年度[3]計画設計[4]3500
▽下川井(那須烏山市)=[1]調査計画一式[2]22~25年度[3]計画設計[4]3300
〈防災減災〉
▼本郷堰(那須烏山市)=[1]調査計画一式[2]24~25年度[3]計画設計[4]650
▼三川又(那珂川町)=[1]調査計画一式[2]24~25年度[3]計画設計[4]700
【県単】
〈農地整備〉
▽荊沢(日光市)=[1]調査計画一式[2]23~27年度[4]210
▽茂木(茂木町)=[1]調査計画一式[2]21~24年度[4]400
▽上古山(下野市)=[1]調査計画一式[2]20~24年度[4]370
▽上稲葉(壬生町)=[1]調査計画一式[2]21~24年度[4]500
▽親園鴨内川(大田原市)=[1]調査計画一式[2]20~24年度[4]200
〈水利施設整備〉
▽穴川用水(真岡市)=[1]調査計画一式[2]23~26年度[4]600
▽穂積(小山市)=[1]調査計画一式[2]19~24年度[4]900
▼幕田堰(下野市)=[1]調査計画一式[2]24~27年度[4]600
〈防災減災〉
▼二国堰(結城市、小山市)=[1]調査計画一式[2]24~25年度[4]60 土地改良事業計画調査のうち、換地等調整事業は本年度、国庫と県単をあわせて13地区で実施される。事業主体は市町で、国庫が8地区に2322万円、県単が5地区に590万円を配分する。このうち新規は、国庫が安塚・上長田(壬生町)や下川井(那須烏山市)など7カ所、県単が荊沢(日光市)や赤瀬台・鹿畑(大田原市)など5カ所となっている。
換地等調整事業は、県営による農地整備事業の実施を見据え、調査計画を円滑に推進するために地区内の農用地利用状況調査や従前地調査などをするもの。全13地区のうち、新規の幕田西部などを含む8地区は農地整備事業の計画調査と同時並行で実施する。
実施にあたっては、生産者など土地改良区との調整を整え、現地での基礎調査に先立ち想定エリアの土地の所有状況など事業化に向けた調査を実施する。調査は事業主体の市町から、県土地改良事業団体連合会へ委託される見通し。
調査地区の事業費は次の通り。(▽地区名(関係市町)=[1]全体事業量[2]予定工期[3]実施内容[4]当初割当額、▼は新規、単位・万円)
【国庫】
▼上郷1(上三川町)=[1]アンケート等調査、対象面積34ha[2]24~25年度[3]土地調査[4]42
▼幕田西部(宇都宮市)=[1]農地等状況調査、対象面積30ha[2]24~26年度[3]土地調査[4]120
▼玉田(鹿沼市)=[1]農地等状況調査等、対象面積59ha[2]24~25年度[3]土地調査[4]110
▼轟(日光市)=[1]農地等状況調査等、対象面積64ha[2]24~25年度[3]土地調査[4]160
▽上稲葉(壬生町)=[1]換地設計基準作成等、対象面積135ha[2]23~24年度[3]土地調査[4]350
▼安塚・上長田(壬生町)=[1]農地等状況調査等、対象面積125ha[2]24~25年度[3]土地調査[4]970
▼小野口(栃木市)=[1]農地等状況調査等、対象面積52ha[2]24~25年度[3]土地調査[4]170
▼下川井(那須烏山市)=[1]農地等状況調査等、対象面積113ha[2]24~25年度[3]土地調査[4]400
【県単】
▼東谷(宇都宮市)=[1]従前地調査一式[2]24年度[4]100
▼荊沢(日光市)=[1]従前地調査一式[2]24年度[4]190
▼赤瀬台・鹿畑(大田原市)=[1]従前地調査一式[2]24年度[4]150
▼戸能(那須町)=[1]従前地調査一式[2]24年度[4]50
▼高松(足利市)=[1]従前地調査一式[2]24年度[4]100