本城橋で防水工など 主要事業 長寿命化修繕を推進(栃木県道路保全課)
[2024/6/12 栃木版]
県道路保全課は、本年度の当初予算で補助事業費に23億3000万円、交付金事業費に7億5900万円を計上した。道路施設の長寿命化修繕計画に基づき、長寿命化対策を推進していく方針で、国庫補助では栃木環状線の片柳跨線橋で床版防水工や橋面舗装工を実施するほか、県道上久我栃木線の本城橋や国道293号の氏家大橋(旧橋)でも本年度から長寿命化修繕工事に着手する。このほか道路メンテの法定点検は、本年度から3巡目の法定点検に着手する。防災安全交付金では国道121号宮の内アンダーの自家発電設備更新をはじめ、自転車通行環境整備は県西モデルルートを整備して県内4ルートを全て完了させる。
本年度から法定点検3巡目に
主な事業を見ると、国庫補助は道路メンテの橋梁で、点検結果III(早期措置段階)やII(予防保全段階)の対策を講じる。このうち県道上久我栃木線の本城橋や国道293号の氏家大橋(旧橋)は、本年度から長寿命化修繕工事に着手する。
本城橋は橋長331.6m(6径間)のメタル橋で、1971年に架設された。2021年度の点検結果に基づき、23年度に設計を策定して本年度から2カ年で修繕工事を実施する。本年度は床版防水工や橋面舗装工を実施し、25年度は伸縮装置の取り替えや塗装工を予定する。
氏家大橋の下流側の旧橋(宇都宮方面車線)は、1964年に架設された橋長533m(10径間)のメタル橋。本年度は根固め工を予定し、全体は2026年度の修繕完了を目指す。
栃木環状線の片柳跨線橋は橋長227.1m(21径間)のPC橋で、23年度から長寿命化修繕に着手して伸縮装置取替工事などを実施してきた。本年度は引き続き、床版防水工や橋面舗装工を実施して、26年度の修繕完了を目指す。
トンネルは、国道120号金精トンネルで漏水対策工や剥落防止工を予定する。金精トンネルは1965年に開通し、延長は755m。2022年度の点検結果に基づき、23年度に設計をまとめ、工事は24年度単年で実施する。
付属物は、国道294号の久下田1号歩道橋(延長80.4m)で昨年度から塗装工に着手し、本年度で完了する予定。19年度に法定点検を実施していたが、二宮拡幅に伴い架け替えを検討し、架け替え不要と判断されたため延命を図る。また、県道下野二宮線の自治医大前歩道橋(延長120.2m)は22年度から塗装工に着工し、本年度の完了を予定する。
土砂災害対策は、国道122号の足尾で全体延長875mのうち、本年度はポケット式落石防護網を65mと落石防護柵75mを施工する。県道黒磯田島線の深山は、全体延長150.7mのうち本年度は落石防護柵工93mを計画する。
防災安全交付金は、雪寒で除雪した雪を置く堆雪帯を確保するため、国道120号の中宮祠で路肩拡幅の道路改良を実施する。冠水対策は国道121号宮の内アンダーの自家発電設備の地上化に向けた更新を行うほか、県道下野二宮線の自治医大アンダーでは排水ポンプなどを地上化するための用地買収を実施する。
道路防災は、主要地方道藤原宇都宮線の上寺島や主要地方道藤原塩原線の湯本塩原でそれぞれ落石防護柵工を予定。自転車通行環境整備は、県西モデルルートの一部を構成する国道120号などの路面標示を実施して、20年度から着手した県内4モデルルートの自転車通行環境整備を年度内に全て完了させる。
24年度当初の主要箇所は次の通り。(▽箇所名=[1]路線名・市町名[2]点検結果[3]23年度実施内容)
【国庫補助】
〈道路メンテ(橋梁)〉
▽本城橋=[1]県道上久我栃木線(鹿沼市・栃木市)[2]III[3]床版防水工、橋面舗装工
▽片柳跨線橋=[1]県道栃木環状線(栃木市)[2]III[3]床版防水工、橋面舗装工
▽氏家大橋(旧)=[1]国道293号(さくら市)[2]II[3]根固め工
▽旭橋=[1]県道東小屋黒羽線(大田原市)[2]IV[3]架け替え(BOX化)
▽高橋大橋=[1]県道寺岡館林線(佐野市)[2]II[3]塗装工
〈道路メンテ(トンネル)〉
▽金精トンネル=[1]国道120号(日光市)[2]III[3]漏水対策工、剥落防止工
〈道路メンテ(附属物)〉
▽久下田1号歩道橋=[1]国道294号(真岡市)[2]III[3]塗装工
▽自治医大前歩道橋(東)=[1]県道下野二宮線(下野市)[2]III[3]塗装工
〈土砂災害対策〉
▽入粟野=[1]県道草久粟野線(鹿沼市)[3]落石防護柵工
▽足尾=[1]国道122号(日光市)[3]落石防護網工
▽深山=[1]県道黒磯田島線(那須塩原市)[3]落石防護柵工
▽富山=[1]主要地方道那須黒羽茂木線(那珂川町)[3]もたれ式擁壁工
【防災安全交付金】
〈雪寒〉
▽中宮祠=[1]国道120号(日光市)[3]堆雪帯整備
〈冠水対策〉
▽宮の内アンダー=[1]国道121号(宇都宮市)[3]自家発電設備更新
▽自治医大アンダー=[1]県道下野二宮線(下野市)[3]用地買収
〈道路防災〉
▽上寺島=[1]主要地方道藤原宇都宮線(塩谷町)[3]落石防護柵工
▽湯本塩原=[1]主要地方道藤原塩原線(那須塩原市)[3]落石防護柵工
〈自転車通行環境整備〉
▽県西モデルルート=[1]国道120号外(日光市)[3]路面標示