田川で掘削・築堤工 主要事業 筑西つくば線BPを推進(県筑西土木)
[2024/6/12 茨城版]
県筑西土木事務所(寺田明弘所長)は、本年度の主要事業をまとめた。主なものでは、幹線道路の整備として筑西つくば線でバイパスの整備や養蚕橋の道路改良舗装工事、東山田岩瀬線バイパスの整備を推進する。また、桜川市道M2753号線では上曽トンネル整備として設備工事や取付道路の道路改良工事などを実施。河川関連では、桜川と田川を対象に河川改修を実施していく。
道路整備のうち、筑西つくば線バイパス(筑西市村田~中根)では、本年度に現道(筑西市村田)からつくば真岡線までの延長3080mで用地買収を進めるほか、道路改良工事を実施していく。同線は筑西市横島を起点とし、つくば市の国道125号に至る幹線道路となる。県渋滞緩和と安全性確保のため、事業に着手した。13年には下妻真壁線からつくば真岡線までの約1700m、18年には下妻真壁線から筑西市中根までの約2200mで供用を開始している。全体計画は延長6960m、幅員27m/13m(暫定11.75m/6.5m)となる。
筑西つくば線の養蚕橋では、本年度に橋梁取付道路の改良舗装工事を進め、年度内の供用を目指す。同線の小貝川に架かる養蚕橋は、架橋から58年が経過し、小貝川河川整備計画との統合がとれておらず、治水上好ましくない状況にある。そこで、県では同橋の架替を実施。13年度から事業に着手し、16年度に用地取得、17年度から着工している。全体計画は本線部が延長560m(うち橋梁174m)、迂回路が640m(うち橋梁197.1m)、幅員14m/7mとなっている。
東山田岩瀬線バイパス(筑西市宮後~桜川市大国玉)では、本年度に桜川工区において、市と協力しながら用地取得を進める。用地が取得できた箇所では、道路改良工事に着手し、バイパスの整備促進を図っていく。同線は生活道路や北関東道桜川筑西ICのアクセス道路となる幹線道路となる。同線では幅員が狭く、屈曲部が多いことを受けてバイパス整備に着手した。これまでに全体で約5.5km区間が完成している。全体計画は延長8280m(筑西市2160m、桜川市6120m)、幅員12m/6mとなる。
受託事業である桜川市道M2753号線の上曽トンネルでは、本年度にトンネル設備工事や取付道路の道路改良工事を進める。水郷筑波国定公園内の上曽峠を含む石岡市上曽から桜川市真壁町山尾の区間では、幅員が狭く、線形不良、急勾配の山岳道路であるため、大型車の多くが迂回を余儀なくされ、冬季には積雪により通行止めになるなど、交通の難所となっている。そこで、トンネル整備を行うことで、日常生活の利便性向上や災害時の緊急輸送、県南・県西地域間の連携強化などを図っていく。全体計画については、桜川市間が延長2630m(うちトンネル1599m)、幅員13-8m/6.5mとしている。
河川整備のうち、桜川では真壁工区と大和工区で河川改修を進めている。桜川は桜川市から筑西市、つくば市を経て土浦市において霞ヶ浦に流入する延長64kmの一級河川となる。筑西土木事務所の管理延長約38kmのうち、事業区間は真壁工区(延長1万1750m、うち緊急改修区間8200m)と大和工区(延長4750m)となっている。
このうち、真壁工区では流域能力を高めるため、源法寺橋から樺穂橋までの延長3.4kmで河道掘削と築堤を実施。大和工区については、羽田橋上流区間の樹木伐採と河道掘削を進めている。今後は下流の筑波工区の進捗状況を考慮しながら、流下能力向上のための河道掘削や屈曲部の解消、伐採などを進めていく計画だ。
田川(結城市久保田~大谷瀬)では、本年度に掘削・築堤工事を進めるとともに、未買収地の用地買収を進める。田川は栃木県小山市の田川放水路分派点(田川水門)から結城市へ至り、鬼怒川に合流する一級河川。同事務所の管理延長の約4.5kmでは、関東・東北豪雨の被害を受けて、浸水被害を防止するために河川改修を実施している。全体計画は、鬼怒川合流点から結城二宮線に架かる福良橋までの約4.5km区間の堤防整備。このうち、下流側の約2.3kmを優先区間として整備を進めている。