水源開発で感染症対策 防安は鹿沼市の配水管耐震化など(栃木県上下水道課)
[2024/6/11 栃木版]
県上下水道課は、水道事業における国の水道水源開発等整備費補助金と防災・安全交付金の内示箇所をまとめた。2024年度は水道水源開発等整備費補助金が5事業体に計4802万円、防災・安全交付金がいずれも鹿沼市に5514万円を交付する。新規は、宇都宮市の松田新田浄水場への粉末活性炭注入装置導入のほか、クリプトスポリジウム対策で佐野市の野上北浄水場への膜ろ過設備導入や、鹿沼市と芳賀中部場市道企業団で紫外線処理設備導入に向けた実施設計を策定する。
水道水源開発等整備費補助金では、高度浄水施設等整備費で松田新田浄水場のカビ臭物質への対策として粉末活性炭注入装置を導入するため宇都宮市に630万円を交付するほか、佐野市、鹿沼市、茂木町、および芳賀中部上水道企業団にはいずれもクリプトスポリジウム対策の施設整備費を交付する。
クリプトスポリジウムは感染症を引き起こす原虫で、水源などが汚染されると水道水に混入して集団的な下痢症状を発生させることがある。塩素消毒など通常の浄水処理で完全に除去することは困難であり、ろ過設備や紫外線処理設備を導入するなどの対策を実施する必要がある。
佐野市には、野上北浄水場に膜ろ過設備を整備するため1765万円を、茂木町には後郷浄水管理センターに紫外線処理設備を整備するため1874万円がそれぞれ交付される。また、鹿沼市では粕尾第2浄水場に、芳賀中部上水道企業団では芳志戸浄水場に紫外線処理設備を導入するため、本年度は実施設計を策定する。
防災・安全交付金事業はいずれも鹿沼市で、同様にクリプトスポリジウム対策で口粟野第2浄水場へ紫外線処理設備を整備するほか、重要給水施設配水管の耐震管への布設替に交付金を配分した。
西中学校や鹿沼高校への配水管は、全体延長4085.5mのうち本年は296.9mを布設替するため、1189万円を交付。また、情報センターや黒川緑地への配水管は全体3170mのうち500mを布設替するため1500万円、永野コミュニティセンター・永野小学校、シンフォニーあわのへの配水管は全体7500mのうち1000mを布設替するため1200万円をそれぞれ交付する。
水道施設整備費補助金の内示箇所は次の通り。([1]補助事業名[2]事業期間[3]国庫補助対象事業費、カッコ内は補助額、▼は新規)
【水道水源開発等整備費補助金事業】
▼宇都宮市=[1]高度浄水施設等整備費(松田新田浄水場)[2]24~25年度[3]粉末活性炭注入装置整備[4]630万円
▼佐野市=[1]高度浄水施設等整備費(野上北浄水場)[2]24年度[3]膜ろ過設備整備[4]1765万円
▼鹿沼市=[1]高度浄水施設等整備費(粕尾第2浄水場)[2]24~25年度[3]実施設計[4]38万円
▽茂木町=[1]高度浄水施設等整備費(後郷浄水管理センター)[2]23~25年度[3]紫外線処理設備整備[4]1874万円
▼芳賀中部上水道企業団=[1]高度浄水施設等整備費(芳志戸浄水場)[2]24~26年度[3]実施設計[4]494万円
【防災・安全交付金事業】
▽鹿沼市=[1]重要給水施設配水管(西中学校・鹿沼高校)[2]18~25年度[3]配水管布設替[4]1189万円
▽鹿沼市=[1]重要給水施設配水管(情報センター・黒川緑地)[2]22~26年度[3]配水管布設替[4]1500万円
▽鹿沼市=[1]重要給水施設配水管(永野コミュニティセンター・永野小学校、シンフォニーあわの)[2]22~28年度[3]配水管布設替[4]1200万円
▽鹿沼市=[1]高度浄水施設等整備費(口粟野第2浄水場)[2]23~24年度[3]紫外線処理設備整備[4]1625万円