市美術館を大規模改修 劣化度調査し、基本方針策定へ(千葉市)

[2024/6/11 千葉版]
 千葉市は、市美術館(中央区)の大規模改修に乗り出す。築30年程度が経過し、経年劣化が進んでいるため、施設全体で劣化度調査を実施し、改修の必要性を判断する。併せて、施工方法や施工手順などを盛り込んだ基本方針を年度内にとりまとめる方針だ。

 10日に「千葉市美術館建物劣化度調査及び改修基本方針策定業務」の委託先を選定する一般競争入札の手続きを開始した。14日まで入札参加申請、19~25日に入札書をそれぞれ受け付け、25日に開札する予定だ。

 劣化度調査では、施設全体の屋根や外壁、外構、建具、内部、設備などの劣化度を把握し、内部・外部の改修や機器修繕の必要性を判断する。調査結果などを踏まえ、課題を整理し、改修基本計画案をとりまとめる。

 基本計画案は複数案を作成する方針。選定した改修対象項目について、施工方法や施工手順、工程などを検討し、概算費用を算出するほか、長期保全計画も策定する。業務期間は180日間を想定している。

 一般競争入札の参加資格要件として、市測量等入札参加資格者名簿で業種「建築関係建設コンサルタント業務」、業務内容「建築一般」の登録があることや市内に本店があることのほか、業務実績などを求めている。

 市美術館は中央区役所との複合施設として1994年11月に竣工した。建物の構造・規模はSRC造地下3階地上12階建て延べ1万7548平方m。区役所機能は2019年5月にQiball(きぼーる)へ移転し、美術館機能を拡張した。美術館としては珍しいビル型建築となっている。

 施設には企画展示室や常設展示室のほか、ワークショップルームやアトリエ、図書室、レストラン、講堂などがあり、地下には駐車場を設置している。元設計は大谷研究室、元施工は清水・西松・ナカノ・三菱JVとなっている。

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