野高谷立体や荒川など 道路・河川・砂防施設 開通、完了宣言を公表(栃木県県土整備部)
[2024/6/7 栃木版]
県県土整備部は6日、「とちぎの道開通宣言2024」と「とちぎの河川・砂防施設完了宣言2024」を公表した。これらは24年度から26年度まで概ね3年以内に開通や整備完了が見込まれる主な道路・河川・砂防施設事業をリーフレットにまとめたもので、同部では06年度から公表している。24年度は、道路が国道408号宇都宮高根沢バイパスの野高谷立体(仮称)や都市計画道路3・3・3号小山栃木都賀線の大宮町工区など、河川が荒川の災害関連事業や百目鬼川の益子町益子地内など、砂防施設が佐野市船越町の曲屋沢など、急傾斜事業が茂木町青梅地内の北向IIAなどを開通・完了させる見通し。荒川以外の災害関連事業は、田川と秋山川、永野川の25年度の完了を目指して、引き続き事業を推進していく。 =2面に3カ年の開通区間・完了箇所
道路・街路事業の開通時期を示した「とちぎの道開通宣言」は、主要な事業の開通時期や事業効果などを見える化の一環として、概ね3年以内に開通(部分開通を含む)する事業の開通時期や事業効果を掲載している。今回公表したのは、24年度に開通を予定する17カ所と25年度開通予定の24カ所、26年度開通予定の19カ所の、全体で60カ所となる。
主な箇所を見ると、本年度は国道408号宇都宮高根沢バイパスの宇都宮市野高谷町から刈沼町までの延長1.5kmについて、野高谷町交差点の立体化を含め4車線で部分開通させる。これにより、鬼怒川左岸地域に集積する工業団地群へのアクセスを強化するとともに、現道の渋滞を緩和する。
都計道小山栃木都賀線(県道宇都宮亀和田栃木線)の大宮町工区は、栃木市今泉一丁目から平柳町二丁目まで、延長1.2kmのバイパスを暫定2車線で来春に供用する。この区間は、主要地方道宇都宮栃木線および都計道3・4・203号今泉泉川線を結ぶ区間で、栃木市街地の外環状線の一部を担う。
県道鹿沼足尾線の樅山南工区は、北押原小学校の通学路に歩道を整備して、この夏にも延長0.4kmを供用する。また、国道461号の南金丸工区は金丸小学校の通学路に歩道0.5kmを、県道大子那須線の富岡工区は東陽小学校の通学路に歩道0.3kmをそれぞれを整備して、来春の供用を目指す。
25年度には、国道408号真岡南バイパスの延長3.5kmの4車線化をはじめ、県道大田原氏家線親園佐久山バイパスの延長2.2kmや県道西那須野那須線黒磯那須バイパスの2.1kmを開通させる予定。都計道平町東町線(県道今市氏家線)の下今市工区や県道那須黒羽茂木線の茂木工区は電線地中化を完了させ、県道山久保平ヶ崎線の白崖橋工区は老朽化した白崖橋の架替事業を完了させる。
また26年度は、国道408号真岡宇都宮バイパスの宇都宮市氷室町で立体化を完了させるほか、県道栃木小山線の卒島工区と卒島II工区も卒島バイパス延長3.5kmを暫定2車線で供用する見通し。都計道片岡西通り(県道矢板那須線)の片岡工区も、片岡バイパスの延長0.4kmを2車線で供用を図る。
一方、河川改修、砂防事業および災害関連事業の完了時期を示した「とちぎの河川・砂防施設完了宣言」も、概ね3年以内に完了する事業の完了時期および事業効果を公表している。今回公表したのは、24年度が河川3カ所と砂防事業4カ所、急傾斜事業6カ所の計13カ所、25年度が河川1カ所と砂防事業6カ所、急傾斜事業4カ所の計11カ所、26年度が砂防事業9カ所と急傾斜事業10カ所の計19カ所、および河川の災害関連事業3カ所の合計46カ所となる。
具体的に見ると、24年度は河川で荒川の改良復旧事業を秋にも完了させる。令和元年東日本台風で被災した那須烏山市向田地区から落合地区、および岩子地区から藤田地区までの区間延長5.9kmで、河川断面拡大や護岸整備といった改良復旧工事を行うことで再度災害防止を図る。
また百目鬼川は、益子町益子地区の浸水被害軽減のため0.4kmにわたり河川断面拡大や護岸整備を実施して、同じく来春に完了させる。砂防事業は、西耕地一号沢(栃木市小野寺)や曲屋沢(佐野市船越町)など4カ所でそれぞれ砂防えん堤1基を整備し、来春に完了の予定。急傾斜事業は、北向IIA(茂木町青梅)や足利工高西(足利市西宮町)の防護柵工を来春にも完成させる。
25年度は、河川で熊川の東郷堰(大田原市荒井)から箕輪橋(那須塩原市箕輪)まで、延長11.9kmの河川整備を完了する予定。砂防事業は天頂下沢(塩谷町船生)や新屋敷三号沢(那須烏山市大木須)など、急傾斜事業は宮入A(鹿沼市深程)や本城一丁目A(足利市本城一丁目)などを完成させる。26年度は、砂防事業で六角堂一号沢(栃木市平井町)など、急傾斜事業で上ノ山A(宇都宮市上大曽町)などを完成させる。
災害関連事業は、田川と秋山川、永野川で25年度の完了を目指し、事業を推進する。田川は宇都宮市で河川断面拡大6.5kmや調節池整備2カ所、秋山川は佐野市で河川断面拡大や護岸整備3.0km、永野川は栃木市で河川断面拡大や護岸整備10.6kmを鋭意整備しており、このほか災害関連では巴波川が27年度の完了を目指して、地下捷水路の整備などを進めている。