草地改良や堆肥舎など 栃木那須地区畜産基盤整備 5カ年で約10億円見込む(栃木県農業振興公社)
[2024/5/30 栃木版]
県農業振興公社は2024年度から、新たに栃木那須地区の草地畜産基盤整備事業(畜産担い手総合整備型)再編整備事業に着手する。大田原市・那須町・那須塩原市の42.0haを対象に飼料基盤や農業用施設などを整備するもので、事業期間は本年度から28年度までの5年間、事業費は、全体で9億9453万円を計画している。
この地区は、畜産物の生産地として今後も安定的な発展が見られる地域であり、飼料基盤や農業用施設などを整備し、規模拡大により濃密生産団地型を確立する。また、自給基盤として水田利用が盛んな地域であることから、さらなる飼料自給率の向上と経営発展により、担い手にとって魅力ある畜産業を確立するために事業を展開する。
事業対象用地の概要は、山林が6.4ha、畑・その他が35.6ha。事業による今後の土地開発で、山林の5.8haを造成改良、畑・その他の35.3haを整備改良、0.3haを施設用地に整備する。事業に参加する経営体は12戸で、うち経営移転等予定戸数は1戸となっている。
事業計画は、基本的施設整備事業として草地等造成改良(伐採・伐根・刈払・切盛土等)5.8haに6700万円、草地整備改良(暗渠・畔畔除去・石礫除去等)35.3haに1億2430万円、施設用地造成整備(伐採・伐根・刈払・切盛土等)0.9haに900万円の、計2億00300万円を計画する。
また農業用施設整備事業では、家畜保護施設(パーラー棟)整備2棟685平方mに2億7054万円、家畜排せつ物処理施設(堆肥舎)整備7棟5224平方mに3億6864万円、飼料調製貯蔵施設(飼料調製貯蔵庫)整備1棟1170平方mに7705万円、水質汚染防止施設(排水処理設備)2式に7200万円の、計7億9423万円を配分する。
全体事業費9億9453万円の年度割は、24年度が2700万円、25年度が1億0080万円、26年度が3億0424万円、27年度が2億1255万円、28年度が3億4994万円と見込んでいるが、補助金の状況により変更される可能性がある。
市町別の事業計画は、大田原市が草地等整備4.0haに1350万円、畜舎整備1棟355平方mに1億1873万円の、計1億3223万円を配分する。那須町は、草地等造成0.8haに500万円、草地等整備14.3haに4600万円、畜舎整備1棟330平方mに1億0681万円、家畜排泄物処理施設整備1棟560平方mに3460万円、パーラー排水処理1カ所に3200万円の、計2億2441万円を計画する。
また那須塩原市は、草地等造成5.0haに6200万円、草地等整備17.0haに6480万円、施設用地造成0.9haに900万円、畜舎整備に4500万円、家畜排泄物処理施設整備6棟4664平方mに3億3404万円、飼料調整貯蔵施設1棟1170平方mに7705万円、障壁物整備200mに600万円、パーラー排水処理1カ所に4000万円の、計6億3789万円を予定している。
本年度については、基盤率を向上させるための草地造成をメインに、那須町で草地造成0.8haや草地整備7.3ha、那須塩原市で飼料畑造成5.0haを実施する。事業費は、那須町に2400万円、那須塩原市に2800万円の計5200万円を予定している。