能登半島地震踏まえ道路法面を緊急点検 孤立集落対策で補助金創設(千葉県)

[2024/5/30 千葉版]
 千葉県(熊谷俊人知事)は29日、6月補正予算案を発表した。予算規模は3億円。1月に発生した能登半島地震を踏まえ、道路の寸断による孤立集落の発生を防ぐため、緊急輸送道路の法面緊急点検に着手するほか、市町村が実施する孤立集落対策への補助金を創設する方針だ。

 半島という地理的特性をもつ本県では、能登半島地震の被害状況を踏まえ、防災対策を強化する必要があるため、今月24日に関係機関連絡会議を開催し、今後の対策をとりまとめた。この対策に掲げた取り組みを速やかに実施するため、補正予算を編成している。

 新規事業として緊急輸送道路の法面緊急点検に5000万円を計上。道路の寸断などによる孤立集落の発生を防ぐため、県が管理する緊急輸送道路の法面90カ所を対象に緊急点検を実施する。

 県道路環境課は、点検結果を踏まえ、法面の崩落などの防止に必要な工事を迅速・効果的に進めていく方針を示している。

 このほか、孤立集落対策緊急支援補助金2億5000万円を新規予算化。能登半島地震では孤立した集落で救助や物資供給などの支援が行き届かない事態が発生したことから、市町村が実施する孤立集落対策に対し、26年度までの3年間、集中的に支援する考えだ。

 ハード面では、避難所となる集会所の修繕やトイレの洋式化、コンテナハウスやユニットハウスの購入、ヘリポートの整備などを想定している。

 「能登半島地震を踏まえた関係機関連絡会議」で熊谷知事は「半島であるがゆえの課題をさまざまな形で実感した」と述べ、緊急輸送道路の法面緊急点検や孤立集落対策への補助金創設など、必要な対策に取り組んでいく考えを示していた。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.