排水機場の設計者特定 サンスイコンサルに 吉田川流域地区後谷地 北上土地改良
[2024/5/28 宮城版]
農林水産省北上土地改良調査管理事務所は、吉田川流域地区の後谷地統合排水機場他基本設計業務をサンスイコンサルタント(仙台事務所・仙台市青葉区)に委託する。業務委託に当たっては簡易公募型プロポーザルを実施し、審査を経て27日に同社を受託候補者に特定。今後に見積もり合わせして金額が折り合えば契約する。
この業務は、国営総合農地防災事業で大郷町粕川後谷地地区に後谷地統合排水機場を新設するため、基本設計をまとめる。併せて、三ケ内排水機場、後谷地排水路、中村導水路、中村導水路滑川サイホンの基本設計も作成する。履行期間は2025年1月24日まで。
後谷地排水機場は、口径700mmが2台と1350mmが2台のポンプ設備を設置する。排水能力は毎秒9.1tを確保する。既存の後谷地排水機場と中村排水機場を統合した施設とする。
三ケ内排水機場は大和町内にあり、更新と能力強化を計画。更新は基本的に既存施設の隣に新たな排水機場を建てる。新たな排水機場は口径400mmが2台と800mmが1台のポンプ設備を設け、毎秒2.7tの排水能力を確保する予定だ。
後谷地排水路は延長610m区間の断面を広げる。中村導水路は延長260mを新設する。滑川サイホンは延長140mを新設する。いずれも後谷地統合排水機場に接続する施設となる。
吉田川流域地区は、東松島市、大崎市、松島町、大和町、大郷町にまたがる水田地帯で、受益面積が約5000ha。2019年の東日本台風で洪水被害を受けたため、国営総合農地防災事業で排水機場などの再編整備や増強を進める計画。現在は地区調査を進めている段階で、2027年度の事業化を目指す。
地区内にはこれまで、県営の湛水防除事業などで19カ所に排水機場が造られた。このうち後谷地と中村を統合し後谷地統合排水機場、中下と浅井を統合し中下統合排水機場、前蒲と藤ノ巻を統合し前蒲統合排水場を新設する。
それ以外に、若針、弥勒堂、品井沼、羽生、三ケ内の5カ所を単独で更新し、幡谷、不来内、志田谷地、前川、檜和田、西川、大平の7カ所は増設する予定。残る山王江排水機場は既設利用する方向で検討している。
昨年度は全ての排水機場の概略設計業務や、増設する前川排水機場(大郷町)と新設する若針排水機場(東松島市)の基本設計業務をサンスイコンサルタントに委託した。
本年度は中下統合排水機場の基本設計業務を三祐コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)、吉田川流域地区の環境配慮計画作成業務をジルコ(東北支社・仙台市青葉区)に委託する。