近く橋台の地盤改良に 板戸大橋建設工事安全連絡協議会 盛大に着工式開催
[2024/5/28 栃木版]
主要地方道宇都宮向田線板戸大橋の施工業者で組織する「板戸大橋建設工事安全連絡協議会」(会長・渡辺眞幸渡辺建設代表取締役社長)は27日、工事着手を前に宇都宮市板戸町の板戸大橋建設予定地で建設工事の着工式を開催した。この工事は宇都宮テクノ街道で暫定2車線のままとなっている板戸大橋の下流側に、残る2車線分を整備するもの。着工式を経て、近く河川区域外に位置するA2橋台の地盤改良工事などに着手するほか、発注済みの残る下部工や上部工も次の渇水期に工事を実施する。このほか、未発注の下部工も来年度、上部工も来年度以降に順次発注し、27年度の事業完了を目指す。
板戸大橋建設工事安全連絡協議会は▽渡辺建設▽増渕組▽宇都宮土建工業▽菊地組▽中村土建▽大幹建設▽野澤實業▽小平興業▽川田建設▽古河産機システムズ-の10社で構成する。渡辺会長は代表して「今回の4車線化工事は、正に経済に直結した重要な事業と認識している。安全第一をモットーに、細心の注意を払って施工する」と話して、関係者や地域住民の理解と協力を求めた。
来賓は、県議会の中島宏副議長が「工事にあったっては夏の暑さやゲリラ豪雨などの異常気象が多発しているが、充分に安全と健康に留意してほしい」と話し、国交省宇都宮国道事務所の笹木和彦所長は「関東地方整備局は県とともに、道路を含むインフラの整備で防災・減災、国土強靭化の取り組みを強力に進め、活力がある安全で安心な地域の実現に努力する」とあいさつした。
また、県県土整備部の谷英夫部長は「受・発注者が連携・協働して現場の安全管理はもちろん、周辺の安全対策にも充分に意を持ちながら、総合力を結集して無事完遂することを誓う」と述べ、宇都宮市建設部の矢野公久部長は「本市の目指すスーパースマートシティの土台となるNCCを支えるため、道路ネットワークの整備を推進することが重要。今まで以上に県との連携を強め、都市基盤の構築を図り、魅力あるまちづくりを目指す」と祝辞を述べた。
このあと、関係者の代表により鍬入れを行って、工事の安全を祈願した。最後に施工業者を代表し、協議会の荒井学副会長が「協議会が一丸となり、地域の安全、現場の安全を第一に1日も早い工事の完成に向けて日々努力する。無事故・無災害での施工を決意する」と安全宣言を行った。
この路線は、「とちぎの道路・交通ビジョン2021」で「宇都宮・水戸連絡道路」に位置付けられ、交通結節点であるJR宇都宮駅から新4号国道や国道408号を横断し、鬼怒川左岸地域に位置する清原、芳賀、芳賀・高根沢などの大規模な工業団地群にアクセスする、本県の産業・経済活動を支える重要な路線となっている。
しかしながら、現道(柳田街道)は柳田大橋周辺で朝夕を中心に慢性的な交通渋滞が発生し、通勤通学などの日常生活や物流などの産業・経済活動に大きな支障をきたしている。このため県は、02年度から新たな橋梁(板戸大橋)を含むバイパス整備(宇都宮テクノ街道)に着手し、19年3月までに全区間を暫定2車線(一部完成4車線)で、22年3月までに板戸大橋を除く約5.2kmを完成4車線で整備している。
残る板戸大橋も、増大する交通需要に対応するため早期に4車線化を図ることとし、23年度から国庫補助金を活用して事業に着手した。事業区間は宇都宮市下岡本町~板戸町までの総延長1000mで、うち橋長は920m。標準幅員は全幅22.0mで、このうち今回整備する下流側の2車線分が11.0m(車道3.25m×2、路肩0.5m×2、歩道3.5m×1)となる。
橋梁詳細設計業務は、23年度に富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)で策定。また、23年12月には「鋼橋上部建設工事その1」を川田・古河特定JVに発注し、24年2月には下部工の「その1」を渡辺・増渕特定JV、「その2」を宇都宮土建・菊地特定JV、「その3」を中村・大幹特定JV、「その4」を野澤・小平特定JVに発注した。
上部工は、P11からA2まで鋼6径間連続鈑桁橋1連で、延長は323m、工期は26年3月25日まで。下部工は、「その1」が直接基礎壁式橋脚3基(P7~P9)、「その2」工事が同2基(P10・P11)、「その3」工事が同4基(P12~P15)、「その4」工事が同1基(P16)および深礎杭基礎逆T式橋台1基(A2)を整備する。工期は「その1」から「その3」までが25年6月30日、「その4」が25年6月20日限りとする。
なお、下部工のA1からP6までは、来年度以降の発注および着工を予定する。また上部工の残る約600mも、2工区に分けて来年度以降の発注を計画している。