本年度分は計315件 公共事業の箇所付けを公表(県土木部)
[2024/5/28 茨城版]
県土木部はこのほど、本年度の公共工事の箇所付けをまとめた。それによると、道路整備・街路事業や河川・海岸・ダム・砂防等事業などで合計315件の事業を推進していく。主な事業としては、国道354号境岩井バイパスの工事費15億9000万円や、野田牛久線(都市軸道路)の工事費9億円、(仮称)真弓トンネルの調査・用地・工事費22億4200万円、中通川の築堤・掘削・用地費7億5000万円などを盛り込んだ。
事業の推進にあたって、県土木部は県総合計画の基本理念である「活力があり、県民が日本一幸せな県」の実現に向け、「災害・危機に強い県づくり」と、「活力を生むインフラと住み続けたくなるまち」の整備に引き続き取り組むとの方向性を示した。
このうち、災害・危機に強い県づくりでは、昨年の県内での豪雨災害をはじめ、近年、激甚化・頻発化している自然災害に対応するため、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」予算を活用し、安心安全の確保に取り組む。その際には流域全体であらゆる関係者が協働して治水対策に取り組む流域治水や、道路の冠水対策、橋梁の耐震化など、強靭な緊急輸送道路ネットワークの更なる加速化を図っていく。
活力を生むインフラと住み続けたくなるまちでは、県の発展に不可欠である広域交通ネットワークの充実に向けて、高速道路やスマートICの整備促進に取り組むほか、直轄国道を補完する幹線道路の整備に取り組む。また、茨城港と鹿島港では、岸壁や防波堤の整備を進める。このほか、生活道路や通学路の安全対策、偕楽園の魅力向上やサイクリング環境の整備も進めながら、下水道や県営住宅などの長寿命化に伴う改修、県管理インフラの適切な維持管理にも取り組んでいく。
公共事業箇所表をみると、今回は合計で前年度から7件減の315件の事業を盛り込んだ。内訳は道路整備・街路事業が140件(前年度と同数)、道路維持事業が66件(前年度から1件減)、河川・海岸・ダム・砂防等事業が47件(同3件増)、港湾事業が20件(同7件増)、公園・市街地開発事業が13件(同2件減)、下水道事業が12件(同1件減)、住宅事業が17件(同13件減)となる。なお、12月補正分と本年度分を合わせた件数は前年度から1件減の456件で、前年度とほぼ同じ規模になった。県土木部では、12月補正予算とあわせて、計画的かつ早期の執行に努めていくとコメントしている。
種別ごとに主な事業をみると、道路整備・街路事業では、国道354号境岩井バイパスの工事費に15億9000万円を計上した。整備区間は境町猿山から坂東市生子までとし、全体計画は延長6300m(幅員25/14m)で計画する。
野田牛久線(都市軸道路)では、工事費に9億円を計上。整備区間は守谷市大柏からつくばみらい市東楢戸までとし、全体計画は延長7800m(幅員40/13m)となる。
常陸那珂港山方線(水戸外環状道路)では、調査・測量・設計・用地・工事費に6億3000万円を確保した。整備区間は東海村照沼から那珂市向井山までとし、全体計画は延長6100m(幅員25/6.5m)としている。
市道0139号線(仮称)真弓トンネルでは、調査・用地・工事費に22億4200万円を計上した。整備区間は常陸太田市幡町から真弓町までとし、全体計画は延長5050m(幅員12/6.5m)で計画する。
道路維持事業では、土浦境線の長峰橋ほか5橋の橋梁耐震補強に7億5700万円を確保。また、国道349号玉簾大橋ほか2橋の橋梁耐震補強に6億5500万円、八代庄兵衛新田線の竜ケ崎大橋(軸線)ほか3橋の橋梁耐震補強に4億1200万円を予算化している。
大子町の道の駅奥久慈だいごでは、防災機能強化を進める。調査・設計・用地・工事費に3億4000万円を確保した。
河川・海岸・ダム・砂防等事業では、中通川の築堤・掘削・橋梁・地盤改良・樋管・用地・補償費に7億5000万円を計上した。整備場所はつくばみらい市とし、全体計画は延長9800mとする。
西谷田川では、築堤・掘削・橋梁・調節池・地盤改良・樋管・用地・補償費に6億3400万円を確保した。整備場所はつくば市とし、全体計画は延長1万3500mとなる。
港湾事業では、茨城港常陸那珂港区の中央ふ頭ふ頭用地整備(D岸II)の工事費に21億円や、同地区の中央ふ頭港湾関連用地造成の工事費6億円などを盛り込んだ。
このほか、公園・市街地開発事業で偕楽園公園の工事費に1億4400万円、下水道事業で鹿島臨海特定公共下水道の焼却炉改築などに17億2800万円、住宅事業で都和アパートの建設工事費に3億3300万円などを計上している。