ECI方式で水閘門改築 6月下旬にI期工事を公告へ (江戸川河川)
[2024/5/28 千葉版]
国土交通省江戸川河川事務所は27日、江戸川水閘門改築事業にECI方式を導入することを発表した。6月下旬ごろに閘門を改築するI期について、工事と技術協力業務を公告する予定だ。工事は政府調達協定(WTO)対象となり、工期は45カ月を見込んでいる。
ECI方式を導入するのは、関東地方整備局管内の河川事業では初めて。同事務所によると、I期工事では鋼管矢板による仮締め切りの必要があるが、施工ヤードが軟弱地盤であるほか、仮設構造が複雑になることが想定されている。
これらの厳しい現場条件を踏まえながら詳細設計を進めていくためには、施工者の高度な技術力を活用した施工計画の検討や工法の選定が必要となるため、ECI(アーリー・コントラクト・インボルブメント)方式を導入する方針だ。
工事は2期に分割する。I期工事で閘門(1門)、II期で水門(3門)をそれぞれ整備する計画。施設の全体規模は高さ約30m、幅約80mを想定している。
27日に「R6江戸川水閘門改築及び周辺整備検討業務」の委託先を選定する簡易公募型プロポーザルの手続きを開始した。詳細設計を進めていくもので、参加資格として関東地方整備局(港湾空港関係を除く)「土木関係建設コンサルタント業務」に関する一般競争(指名競争)参加資格があることなどを求めている。6月14日まで参加表明書と技術提案書を受け付けている。
江戸川水閘門は市川市と東京都江戸川区の境にあり、江戸川放水路分派後の旧江戸川上流端に位置する。竣工してから約80年が経過し、施設全体の老朽化が進み、ゲート操作に支障となる不具合が多発している。
洪水時にゲート操作ができなくなった場合、せき上げにより上流の水位が上昇し、堤防決壊による氾濫の危険性が高まるため、全面的な改築を進めていく。