2橋の架け替え着工 豊穂川排水対策 島田と立木水路に調節池(小山市)
[2024/5/23 栃木版]
小山市は、一級河川豊穂川で流域排水強化対策事業を進めている。市治水対策課によると、2024年度については河道整備工事3件のほか、大日橋と大行寺橋はそれぞれ現在の橋梁撤去を含む下部工と上部工を発注する予定となっている。島田放水路は調節池の用地取得に向けた測量などを進め、立木排水路も調節池の用地取得に向けた測量などを進めるほか、樋門の詳細設計を行うとしている。
24年度当初予算では、河道整備を含む拡幅・築堤工事に24・25年度の2カ年で2億9700万円の継続費を設定した。大日橋の下部工は24・25年度の2カ年で1億0414万円、大行寺橋の下部工は24・25年度の2カ年で7086万円の継続費を設定している。島田放水路は調節地の用地測量に700万円、立木排水路は調節池の用地測量に1300万円、排水樋門の詳細設計に2900万円を配分する。
市では、15年9月の関東・東北豪雨で被害を受けた豊穂川流域などの排水強化事業を進めている。豊穂川は19年度に、国交省から一級河川に指定されている。指定された区間は、上流端が立木地内の大日橋、下流端が一級河川思川への合流点(大行寺地内)までの約1260m。19年に発生した東日本台風の浸水被害で、国交省の浸水対策重点地域緊急事業に採択されている。
市は、豊穂川の排水強化対策事業として▽河道拡幅▽築堤▽橋梁の架替え-を計画している。豊穂川整備の予備設計および詳細設計は、大日本コンサルタント(東京都豊島区)が担当した。
豊穂川の整備区間は、思川合流部から大日橋上流より約200m北の、約1400mが対象となっている。河道拡幅のほか築堤を行い、思川堤防堤と同じ規格で整備する。築堤は天端幅5m、堤高1.2mとする。河道拡幅・築堤は、用地取得が完了した箇所から順次工事を進めていく方針となっており、24年度は河道整備工事を延長40m・60m・80mに3分割して発注する。
橋梁は、市道257号線が渡河する大日橋(2009年度建設RC橋、L20m、W9.75m)、県道小山結城線が渡河する新川橋(L28.5m、W6m)、市道1179号線が渡河する大行寺橋(1961年建設RC橋、L15m、W2.8m)の3カ所の架け替えを計画している。県管理の新川橋は県が整備し、大日橋と大行寺橋は市主体で整備を進めていく。大日橋は富士コンサルタンツ(宇都宮市)、大行寺橋は、ピーシーレールウェイコンサルタント(宇都宮市)が詳細設計を担当している。
大日橋は、現在の橋と同じ位置に架け替えるとしており、橋長24.5m、幅員10.75mとする。下部工は場所打ち杭基礎逆T式橋台2基、上部工はプレテンション方式PC単純床版橋となっている。
大行寺橋も現在の橋と同じ位置に架け替えるとしており、橋長25.5m、幅員6.2mとする。下部工は場所打ち杭基礎逆T式橋台2基、上部工はプレテンション方式PC単純床版橋となっている。
準用河川島田放水路(小山栃木排水路)の整備は、JR両毛線交差部下流側から既設の小山栃木排水路を通り、思川の堤防までの延長740mを整備する。河道を掘削して両側に堤防を築堤し、堤防高は思川の降雨量の20年確率水位を想定した規模になる。思川堤防と交わる箇所には、樋門1基を設置。市道2カ所を縦断するため、市道と交差する箇所には橋梁を整備する。
24年度の島田放水路の整備事業は、河道整備のための用地取得への各種業務などを行うほか、農業集落排水管移設設計業務を三条工測(小山市)に委託している。放水路が整備されることで既存の農集排排水管が分断されることから、河川西側にマンホールを設置して圧送する。
調節池も整備することから、調節池の用地取得に向けた測量や用地取得も進めていく。調節池は河川の左岸・右岸の両側に整備し、総容量は6万6000立方mとする。左岸側に1万3000平方m、右岸側に2万平方mの規模の調節池を設置する計画となっている。
準用河川立木排水路(立木川)は、調節池を整備する。規模は2万4000立方mを予定しており、主要地方道栃木小山線沿いで、小山建設業協同組合の近隣に設置を計画している。ピーシーレールウェイコンサルタントが調節池および護岸の詳細設計を担当した。
24年度については調節池の用地取得に向けた測量や用地交渉を進めるほか、思川との合流地点に設置する樋門の詳細設計を委託する。25年度以降も用地測量等を進め、用地を取得次第、工事に着手する。