成田空港C滑走路新設の造成工 大林JVが技術協力(NAA)
[2024/5/22 千葉版]
成田国際空港(NAA)は、成田国際空港の更なる機能強化に伴うC滑走路の新設に向け、ECI方式で造成工事に着手する。設計技術協力業務を大林組・熊谷組・鴻池組・飛島建設・青木あすなろ建設JVに委託した。公募型プロポーザル方式で選定を進め、契約額(税抜)は2247万円。C滑走路南側で切土(1300万m3)や盛土(570万m3)のほか、軟弱地盤対策などを施す計画で、工事費は650億円規模を概算している。
本年4月に改訂した「成田空港のさらなる機能強化に向けた滑走路整備計画」をみると、C滑走路では延長3500m、幅員45mの滑走路を新設するほか、延長6200m、幅員23mの誘導路を整備していく。
南側の造成工事では、国道296号や町道、高谷川などに付け替えるとともに、空港用地造成など複数の工事が集中し、特殊な軟弱地盤に対する技術的課題に対応する必要があることから、ECI方式を導入する方針だ。
ECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)は、設計段階から実施設計業務への技術協力をしてもらい、仕様など決定後に施工予定者として工事契約を締結する方式となる。
委託したのは「C滑走路南側造成設計技術協力業務」。工事規模は用地造成が切土1300万m3、盛土570万m3、地盤改良が固結5.6ha、圧密沈下促進(PBD)15haのほか、調整池3カ所、水路や農業用水、国道296号の付け替えなどを想定。業務の履行期間は12月までとなっている。
C滑走路の新設に向け、高谷川の排水や工事用仮設道路の準備工事を進めている。本年度下期にも北側トンネルや南側管理用道路の整備工事に着手する方針。準備工事の完了後、造成など本格工事を進め、2028年度の完成を目指している。