重点施策に94事業 実施計画 未来産業用地開発へ着手(古河市)

[2024/5/17 茨城版]
 古河市は、第2次総合計画に基づく24-25年度の2カ年実施計画を公表した。実施計画は24-27年度までの「第III期基本計画」に基づいて、94事業の重点施策を対象に策定した。また、第III期基本計画では、国土強靭化計画を基本計画の一部として一体的に策定している。主な事業には、総和地域交流センター整備事業や古河第一中学校施設長寿命化改良事業、小中学校環境整備事業、未来産業用地開発事業(大堤地区)、文化施設整備推進事業を盛り込んだ。

 第2次総合計画における16-35年度の基本構想は、計画期間(20年間)を4年ずつ5期(第I期-第V期)に分けて策定。24-27年度の4年間を第III期としている。実施計画は基本構想の実現を図るため、基本計画に定めた施策の方向性を踏まえて具体的な事業などを定めるもので、市の予算編成や事業評価などと連動している。計画期間は2カ年で、戦略方針に基づく重点的施策を掲げて毎年度ローリング方式により見直している。

 本年度の重点施策は、総合戦略の基本方針の取り組みを推進するため、数値目標を意識した施策を重点的に展開する。重点施策としては、▽地域の特性を活かした仕事をつくる▽移住と定住を促し新しい人の流れをつくる▽若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる▽安心な暮らしを守り魅力的な地域をつくる▽GX・DXの加速──の5つに取り組む。

 総和地域交流センター整備事業は、24-25年度で建設工事を実施し、25年12月の開館を目指す。この事業は総和地区にある公民館などの老朽化に伴い、下大野に立地する中央公民館を建て替えて、地域交流センターを建設するもの。施設の実施設計と中央公民館の解体設計は、昭和設計東京事務所(東京都港区)・日本工営都市空間(東京都千代田区)JVが担当した。地域交流センターの構造・規模はS造2階建て、延べ2714平方m。建設場所は中央公民館の南側駐車場で、市役所総和庁舎の東側約6800平方mの敷地とする。建物の完成後には、既存施設の解体工事と跡地の駐車場整備工事を実施する予定だ。

 古河第一中学校施設長寿命化改良事業は、本年度に体育館の長寿命化工事を実施する。設計は横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)で策定。25-28年度には校舎等の長寿命化対策を行う見通しだ。この事業は、老朽化が進んでいる管理棟や普通教室棟、特別教室棟、昇降口・渡り廊下棟、体育館の建物や設備の長寿命化を図り、今後30年以上使用できる施設とするもの。体育館はRC造一部S造2階建て、延べ1663平方m(1972年建設)の規模となる。

 小中学校環境整備事業は、指定避難所になっている小学校15校と中学校6校の体育館へ空調設備を設置するもの。本年度は実施設計を策定し、25年度に設置工事を行う予定だ。対象となるのは、古河二小・古河三小・古河六小・上辺見小・上大野小・小堤小・下大野小・西牛谷小・中央小・八俣小・緒川小・大和田小・駒込小・名崎小・仁連小の小学校15校と、古河一中・総和中・総和北中・三和中・三和北中・三和東中の中学校6校となる。

 未来産業用地開発事業では、新たに大堤地区の開発に着手する。JR東北本線古河駅からのアクセスや国道4号と国道354号の結節点という交通インフラの充実した大堤エリア約17haを文化・産業・商業の交流機能を備えた新たなまちづくりの拠点とするもの。本年度は開発に向けた課題と対応策を検討するための基礎調査を実施するとともに、国や県、関係機関との調整を行う予定だ。

 文化施設整備推進事業は、県西地域の中心都市にふさわしい文化施設として「新公会堂(仮称)」の整備を行うもので、23年度には「新公会堂(仮称)基本構想・基本計画市民委員会」を設置して検討作業に着手した。基本構想と基本計画は24年度中に策定し、25年度には基本設計のほか、建設予定地の地質調査や用地測量を実施する予定だ。これまでに旧古河体育館跡地と、大堤の未来産業用地開発事業地内の2カ所を建設候補地に選定。24年度中に1カ所に絞り込む考えだ。建設工事は28年度に着手し、30年度ごろに開館する見通しだ。

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