富津・蓮沼海浜公園の再整備計画案 P-PFI導入検討(千葉県)

千葉市内で開かれた「再整備計画」検討会議の初会合

千葉市内で開かれた「再整備計画」検討会議の初会合

[2024/5/17 千葉版]
 千葉県は16日、県立富津公園(富津市)と県立蓮沼海浜公園(山武市)の再整備計画案を明らかにした。両公園ともPark-PFI制度など官民連携事業を導入しながら、施設整備を進めていく方向性が示されており、事業者の公募に向けた検討を本格化する。再整備計画検討業務はPwCアドバイザリー合同会社(東京都千代田区)が担当している。

 同日に開かれた検討会議の初会合で県公園緑地課が報告した。委員は学識経験者や地元行政・観光関係者、県関係部署の職員らで構成し、会長に阿部伸太東京農業大学准教授が就任した。

 2022年度に策定した「再整備に向けた基本方針」を踏まえ、23年度に民間ヒアリングなどを実施し、ゾーニングや景観計画、施設計画を盛り込んだ再整備計画案をとりまとめている。

 富津公園では「エントランス」「賑わいエントランス」「近代遺構」「プール」「海浜レクリエーション」「保安林」「眺望」の7つのエリアを設定。

 このうち、賑わいエントランス、海浜レクリエーション、眺望3エリアでは、新たな施設を導入する方針だ。プールエリアでは、将来的な屋内プールやジャンボプールのリニューアルのほか、富津岬荘の代替整備などを検討していく。

 蓮沼海浜公園をみると、北側ではウォーターガーデンエリアとパークゴルフエリアの利用を補うため、憩い・レクリエーションエリアで休憩や食事などの機能を強化する。

 南側には「エントランス・にぎわい」「アクティビティ」「宿泊滞在」「展望」「アーバンスポーツ」「海辺の滞在」などのエリアを配置。飲食物販施設やイベント広場、グランピング、キャンプ場などの導入を検討する。

 事業スキームとして、新たに官民連携事業を導入する。収益施設・公共部分の一体的な整備・運営を想定。Park-PFI制度の活用が考えられるとした。

 再整備計画案については、事業化の検討に向けたサウンディング調査で民間事業者に提示する。課題の整理や関係法令規制に関する協議を実施し、再整備計画をとりまとめ、民間事業者を公募する方針だ。

 県立富津公園は1966年に開設。東京湾に突き出た半島状5kmの砂州、富津岬の先端にあり、面積は約97ha。豊かな自然が広がり、明治百年記念展望塔やジャンボプール、室内温水プール、野外劇場、テニスコート、キャンプ場などで構成。砲弾試射場跡など近代遺構が点在している。

 県立蓮沼海浜公園は1975年に開設。九十九里浜に沿い南北約4kmにわたる細長い形状をしており、面積は約38ha。公園内には県内最大級の屋外プール「ウォーターガーデン」や、36ホールのパークゴルフ場、子供の広場などがある。

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