近くトンネル工を公告 新最終処分場の新設道路整備(県道路建設課)
[2024/5/16 茨城版]
県道路建設課は新産業廃棄物最終処分場の新設道路の整備を進めている。本年度からは(仮称)大久保町トンネルの本体工事に着手するほか、新設道路の整備を進める。このうち、トンネルの本体工事は第2トンネルを第1四半期、第1トンネルを第3四半期に発注する見通しだ。あわせて、橋梁や新設道路の整備も進め、27年度までの完成を目指していく。
最終処分場の新設道路は、山側道路(中丸団地東側)から市道と林道を経て最終処分場に至るルートとなる。延長は約4kmとなり、幅員は一般部が9m(車道3m×2、片側歩道2m)、トンネル部が7m(車道3m×2、歩道なし)となる。主な施設は、トンネル2カ所と橋梁2橋を配置する。概算事業費は約120億円と試算した。
このうち、トンネルの延長は第1トンネルが95m、第2トンネルが1566mを予定。詳細設計は大日本コンサルタント(東京都千代田区)がまとめた。トンネル整備では、まずは第2トンネルから着手する。工事は第1四半期中にも発注する見通し。工事にあたっては、諏訪梅林側から整備を実施していく計画となる。第1トンネルについては、第3四半期に一般競争での発注を予定している。
橋梁については、交通安全の確保と地域住民の生活、近隣に位置する大久保中学校への影響をさけることを目的として、立体交差の整備を行うために設置する。第1号橋は山側道路から中丸団地へと向かう丁字路に、第2号橋は大久保中学校付近から中丸団地へと向かう市道との交差点の近くに整備する計画となる。詳細設計は第1号橋をセントラルコンサルタント(東京都中央区)が2038万円、第2号橋を八千代エンジニヤリング(東京都台東区)が担当した。
新設道路については現在、工事用道路築造工事に着手した段階にある。道路の一部については、現時点で詳細設計がまとまっていない部分のあるため、これから設計をまとめ、工事につなげていく考えだ。
また、新設道路に接続する日立常陸太田線の整備としては、片側歩道整備や局部改良、油縄子交差点の改良、ガードパイプの設置などを予定している。
なお、トンネルや新設道路の整備については、最終処分場の完成に間に合わせて供用を開始する計画となる。そのため、いずれの工事も最終処分場の供用開始時期である27年度までに完成させる計画だ。
新産業廃棄物最終処分場整備事業は県関与産業廃棄物最終処分場エコフロンティアかさまの継続施設として、新たな産業廃棄物最終処分場を日立市諏訪町地内の日立セメント太平田鉱山跡地に整備するもの。埋立地の規模は約9.3ha、容量は約240万立方mとし、オープン型処理場で整備する。概算建設コストは約269億円に設定。なお、実施設計は八千代エンジニヤリング(東京都台東区)が担当した。
新最終処分場の本体工事については、3月に開札となり、株木・オカベ・秋山・鈴縫・共和JVが198億3000万円で落札している。この工事では本体と浸出水処理施設が対象となる。残る管理棟や計量棟、展開検査場、環境学習施設、上下水道施設などの工事については、今後発注する見通しとなっている。