吉田川流域地区に新設 三祐コンサルを特定 中下統合排水機場の設計(北上土地改良がプロポ)
[2024/5/14 宮城版]
農林水産省北上土地改良調査管理事務所は、吉田川流域地区の中下統合排水機場について、新設の基本設計業務を三祐コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)に委託する。業務委託に当たっては簡易公募型プロポーザルを実施し、13日付で同社を受託候補者に特定。今後に見積もり合わせして金額が折り合えば契約を結ぶ。
中下統合排水機場は東松島市野蒜長沼地区に新設し、毎秒5.6tの排水能力を確保する。ポンプは口径350mmと1000mmを2台ずつ設置し、計4台を建屋で囲う。
基本設計業務では、機場工、樋門・樋管工、建屋、護岸工、土留工の設計をまとめる。このほか、水理計算、設計計画と土工計画の作成、概算工事費の算出などを実施する。履行期間は2025年1月10日まで。
吉田川流域地区は、東松島市、大崎市、松島町、大和町、大郷町にまたがる水田地帯。受益面積は約5000ha。2019年の東日本台風で洪水被害を受けたため、国営総合農地防災事業で排水機場などの再編整備や増強を進める計画。現在は地区調査を進めている段階で、2027年度の事業化を目指す。
地区内にはこれまで、県営の湛水防除事業などで19カ所に排水機場が造られている。このうち中下と浅井を統合し中下統合排水機場、前蒲と藤ノ巻を統合し前蒲統合排水場、後谷地と中村を統合し後谷地統合排水機場を新設する。
それ以外に、若針、弥勒堂、品井沼、羽生、三ケ内の5カ所を単独で更新し、幡谷、不来内、志田谷地、前川、檜和田、西川、大平の7カ所は増設する予定。残る山王江排水機場は既設利用する方向で検討している。
更新は基本的に既存施設の隣に新たな排水機場を造る。排水機場の再編・増強に伴って既存の排水路は断面を広げる。検討対象は8路線。統合に絡む3路線には導水路を新設する予定だ。
昨年度は全ての排水機場の概略設計業務をサンスイコンサルタント(仙台事務所・仙台市青葉区)に委託したほか、増設する前川排水機場(大郷町)と新設する若針排水機場(東松島市)の基本設計業務を同社に委託した。それ以外の設計業務は今後に委託する。
環境配慮計画はジルコ特定
同事務所は、吉田川流域地区の環境配慮計画作成業務について、簡易公募型プロポーザルでジルコ(東北支社・仙台市青葉区)を受託候補者に特定した。今後に同社と見積もり合わせして契約する。
業務内容は環境配慮調査とその結果の整理、環境配慮計画の作成、事業計画書案と補足説明資料の作成など。履行期間は25年3月19日まで。