し尿施設整備に着手 臨時会 基本構想委託料を予算化(県央衛生組合)
[2024/5/9 茨城版]
茨城県央環境衛生組合(管理者・小林宣夫茨城町長)は4月26日、設立後初の会合となる第1回臨時会を開催した。正副議長を選出し組合議会規則を定めたほか、一般会計予算や条例制定の議案を審議して、いずれも原案通り可決した。本年度は7203万円の予算を編成し、し尿処理施設整備基本構想や循環型社会形成推進地域計画などを策定する。今後は30年度の稼働開始に向けて、積極的に事業を進めていく。
現在、笠間市の笠間地区は筑北環境衛生組合のクリーンセンターで、茨城町と笠間市の友部地区、岩間地区は茨城地方広域環境事務組合のし尿処理施設で、それぞれし尿と浄化槽汚泥の処理を行っている。このうち、笠間市については20年9月に、効率化やコスト削減の観点から市全域の処理を茨城地方広域環境事務組合へ集約する方針を示していた。
しかし、茨城地方広域環境事務組合の施設は建設から57年、大規模な増築工事から43年が経過し、老朽化が進んでいる。さらに、現在の構成市である水戸市は単独で、小美玉市は湖北環境衛生組合でそれぞれし尿処理体制の確立を目指すことから、笠間市と茨城町の1市1町による新たな一部事務組合を設立して、新施設を整備することになった。
このため、両市町は昨年「笠間市・茨城町広域し尿処理施設整備促進協議会」を設立し、新たなし尿処理施設の建設に向けて共同で事務処理を実施してきた。本年1月には県知事から組合設立の許可が下りたことから、4月1日に「茨城県央環境衛生組合」が設立。管理者に茨城町の小林町長、副管理者に笠間市の山口伸樹市長が就任している。
今回の臨時会は、組合設立にあたり議会で条例や予算を決めるもの。議事では茨城町議会の海老澤忠議員を議長、笠間市議会の内桶克之議員を副議長に選任し、予算や条例の議案を審議した。このうち一般会計予算は、総額7203万円を計上。主なものでは、し尿処理施設整備基本構想や循環型社会形成推進地域計画などの策定委託料1574万円を盛り込んだ。現段階では、業務の委託方法については未定だという。
新施設の建設地は、現在のし尿処理施設の北側隣接地にあるグラウンドを選定済み。施設の規模や詳細な事業スケジュールについては基本構想のなかで決めていく。現在のところ、30年度の稼働開始を目指している。