澤宏幸都市整備局長の就任インタビュー 能登半島地震踏まえ災害対策強化(千葉県)

澤都市整備局長

澤都市整備局長

[2024/4/26 千葉版]
 県土整備部の都市整備局長に4月1日付けで就任した澤宏幸氏が本紙インタビューに応え、「県まちづくり公社と連携しながら、市町村のまちづくりを全力で支援していきたい」と抱負を語った。1月に発生した能登半島地震を踏まえ、下水道施設の整備や建物の耐震化など災害対策を強化する考えを示した。

 ──就任の抱負を。

 「まちづくりを担当する都市整備局長の職務は重責。身の引き締まる思いだ。特に各市町村が計画するまちづくりや拠点整備を都市計画の面からバックアップしていきたい。まちづくり情報センターを設置した県まちづくり公社との連携も強化していく」

 ──重点的に取り組みたいことは。

 「都市計画は、まちづくりの方向性を示す大切な仕組み。県内では富津館山道路の4車線化など大型プロジェクトが計画されおり、都市計画変更の手続きが進められているが、その中で地域住民に丁寧に説明し、理解してもらうことが重要だと思う」

 「来年度、都市計画の根幹となる都市計画区域マスタープランを改定する予定だ。これまで県と市町村がそれぞれマスタープランを策定してきたが、市町村の区域を越えた6つの広域都市圏を設定した広域都市計画マスタープランを新たに策定する。今後、協議会を設置し、年度内に案をとりまとめたい」

 ──能登半島地震を教訓に取り組むことは。

 「災害に強いまちづくりを加速していかなければならない。能登半島では下水道が大きな被害を受けた。江戸川第一終末処理場の整備を着実に進めるとともに、下水汚泥の有効利用や太陽光発電の導入なども検討する。建物も甚大な被害を受けたことから、大型建築物の耐震化にも取り組んでいきたい」

 ──県営住宅の整備について。

 「住宅のセーフティネットとしての機能を果たしていく必要がある。県民のニーズを調査しながら、県営住宅長寿命化計画の策定を進めていく。年度内にとりまとめ、県営住宅の再整備に取り組む」

 ──老朽化した県立公園をどうする。

 「富津公園や蓮沼海浜公園について、再整備計画の策定を進めている。両公園とも大変ポテンシャルが高いと思う。公募設置管理制度(Park-PFI)など民間活力を導入しながら、保安林など緑を十分に活かした計画にしていきたい」

 ──建設業界に一言。

 「地震や台風など災害の発生時には、県民のために昼夜を問わず尽力していただき、大変感謝している。これからも意見交換などの機会を通じて、建設業界との連携を強化し、ともにまちづくりを進めていきたい」

プロフィル
さわ・ひろゆき

 1964年、千葉市生まれの59歳。90年4月に入庁し、県企業庁で幕張新都心の開発に携わる。成田市や柏市、日本サッカー協会への派遣も経験。県土整備部では公園緑地課長や市街地整備課長を歴任し、21年4月から次長、本年4月から現職。旅行先での食べ歩きが趣味。いい仕事をするためには風通しの良い職場づくりが大切と語る。

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