給食センターを7月公告 PFIのBTO方式採用 宮城県 石巻市が実施方針
[2024/4/19 宮城版]
石巻市は、新学校給食センターをPFI事業で整備するに当たり、実施方針と要求水準をホームページに公表した。実施方針ではBTO方式を採用。PFI事業者が市有地に施設を設計・建設し、所有権を市に移した上で、維持管理や給食運営を行う。PFI事業者の選定に当たっては7月上旬に入札を公告し、12月に落札者を決定、来年3月に事業契約を締結する予定だ。2027年4月1日の供用開始とする。事業期間は2042年3月末まで。
PFI事業者の担当業務は、施設の整備と維持管理、運営など。施設整備では事前調査、設計、建設、工事監理、調理設備の調達・設置、食器・食缶等の調達、施設備品の調達・設置などを行う。
PFI事業者は設計企業、建設企業、工事監理企業、維持管理企業、運営企業で構成し、落札者になった場合は市内に特別目的会社(SPC)を設立する。
設計企業の要件は、一級建築士事務所の登録を受けていることや、HACCPに関する相当の知識を持つこと、2014年度以降に国や地方公共団体が発注した延べ3000平方m以上の学校給食共同調理場の設計実績があることなど。
建設企業の要件は、建築一式工事に関して特定建設業の許可を持っていることや経審の総合評定値が750点以上であること、14年度以降に国や地方公共団体が発注した延べ3000平方m以上の公共施設新築工事を完成させた実績があることなど。
新学校給食センターの建設場所は北村字前山4-10の市有地。敷地面積は約4万8000平方mで、うち8500平方m以内に整備する。幅員17mの道路を挟んだ向かい側には遊楽館が建っている。
施設は給食エリア、事務・その他エリア、付帯施設に区分。給食エリアは汚染作業区域に入荷室・仕分室、食品庫、下処理室、冷蔵庫、洗浄室、防災備蓄倉庫などを設け、非汚染作業区域に上処理室、煮炊き調理室、食物アレルギー対応調理室、コンテナ室などを置く。
事務・その他エリアは事務室、トイレ、会議室兼多目的室、食育調理実習室、見学通路・食育資料展示ホールなどを配置する。付帯施設は貯水槽や駐車場、配送車両車庫、外灯設備などを設ける。
調理能力は1日約4000食を確保する。配食校数は小学校が14校、中学校が9校、幼稚園が2園。献立方式は1日2献立とする。
落札者を決定した後のスケジュールは、12月ごろに基本協定やSPCとの事業契約を結び、25年4月から施設の設計や建設工事を進め、27年1月ごろに施設を引き渡す予定になっている。
市は新学校給食センターの整備に向け、基本計画策定業務やPFIアドバイザリー業務を日本工営都市空間(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。昨年2月に基本計画を定めた時点で概算事業費は税抜き30億7000万円を試算していた。事業費は改めて精査中。
市内には4カ所に学校給食センターがあり、このうち老朽化している住吉、河北、河南の3カ所を統合し、新学校給食センターを整備する。